大林宣彦監督(79)が、28日、都内で、東京国際映画祭で公式上映された映画「花筐」(12月16日公開)の舞台あいさつを行った。主演を俳優窪塚俊介(35)が務め、戦時中の若者たちを描いた青春群像劇。

 大林監督は「戦争が終わった後、せめて平和に自分が役立つとするなら、自分が信じる映画ぐらいは自由に作らせてほしいと思い自由に映画を作ってきた。3年後、こういう映画を作ることが許されるだろうかということもあるので、今こそ自由の尊さを表現したいと思って作った」と語った。さらに「みんな平和な人間になってしまい、戦争中の事を語らない。この映画は戦争を知らない若い人のために作った」と語った。一部では昨年8月には肺がんのため余命3カ月と宣告されたとも報じられていたが、会場を後にする際には観客に「私はあと30年映画を作ります」と力強く語っていた。

 一方、主人公の叔母を演じた常盤貴子(45)は「監督は自由でやんちゃ。映画の可能性を広げてくれている」と絶賛。主役の窪塚は「演じたのは16歳ぐらいですが、僕35歳。キャスティングも自由」と笑った。他に共演の長塚圭史、村田雄浩、矢作穂香、山崎紘菜、岡本太陽も出席した。