6日に肺炎のため、87歳で亡くなった元衆院議員でタレントの中村鋭一さんの大学の後輩で、現在もラジオ・パーソナリティーとして活躍する浜村淳(82)は「天国にいってしまった中村さんに届けたい言葉がある」として、7日夜、報道各社にコメントを寄せた。

 中村さんとは盟友で50年のつきあいになる作曲家キダ・タロー氏(86)と3人でトークイベントに出演したことも多く、浜村は「お互いに口舌(こうぜつ)の徒としての本領を発揮してまた、キダさんも交えて、口角泡を飛ばして舌戦を繰り広げましょうよ」と呼びかけた。

 浜村にとって、中村さんは大学の先輩でもあり、放送界でも大先輩。「深夜の若者向けだったラジオを朝に移行させた」と功績の大きさに敬意を表した。

 中村さんは朝日放送時代の一時期、新聞社へ出向経験があり、中村さんが人気を得た理由について「ジャーナリスティックな知性判断と明瞭快活な性格で、多くの人にラジオの楽しさを伝えた」と分析。一方で、タイガース愛にあふれた放送を繰り返したことは「勇敢な行動とユーモラスな持ち味が万人の楽しむところになった」と語った。

 敬慕し、背を追ってきた先輩だけに、浜村は、中村さんには「アドバイスをいただいたり、教えをこうたりしながらも、良きライバルとして、しのぎを削った時代もありました」と感謝する。浜村は今なお、ライバルのMBSラジオで「ありがとう浜村淳です」を継続しているが、中村さんが政界へ転身した当時については「気落ちした」と、張り合いがなくなったと振り返った。

 中村さんは「歌もうまく、俳句もよくした人でした」と、その多才ぶりにも敬服していたという。

 またこの日夜、中村さん、浜村と同じ事務所で、作曲家として、阪神ファンの中村さんに「タイガース音頭」を贈ったこともあるキダ・タロー氏も「尊敬してやまぬ畏友(いゆう)です」と、中村さんをしのんだ。中村さんを評して「日本一のラジオパーソナリティーであり、卓越したニュース感覚、愛すべき人柄、博識にして雄弁。50年に渡る友情に感謝する」とコメントした。