「女ひとり」「いい湯だな」などのヒット曲で知られ、日本を代表する男性コーラスグループの「デューク・エイセス」が21日、都内で最後のコンサートを行った。

 12月末で解散をし、約62年の歴史に幕を閉じると5月に発表していた。

 メンバーは公演前に記者会見。唯一のオリジナルメンバーでリーダーの谷道夫(83)は「『年を取ったね』と言われるのはいいが『落ちたね』はいや。ヨレヨレになるよりは、潔く『デューク・エイセス』と別れたかった」と解散を決めた理由を明かした。

 谷は、メンバーの交代があっても「カルテットで男性4人のハーモニーをする」に徹底的にこだわってきたという。「カルテットの魅力を伝えることが使命だと思ってきた。今はやりきったという満足感が残っている」と納得顔で語った。

 4人でずっと守ってきたものは「和」だという。「無理をしてでも気持ちを1つにしてきた」。これがないと、魅力あるハーモニーは生まれないと強調した。

 デューク・エイセスは1955年(昭30)に結成。58年にアルバム「ムード・イン・トーキョー第一集」でレコードデビューした。この年に加入した槙野義孝(81)は「引き際が肝心。これから少し休みたい」と話した。

 ラストライブは、約1700曲のレパートリーから厳選した20曲を披露。中村メイコと神津善行夫妻がゲストで駆けつけ、約1500人のファンをトークでも沸かせた。

 この日までに5000回以上の公演を行い、NHK紅白歌合戦には10回出場している。