上方落語家、桂福団治(77)の夫人で、漫談や歌手の声帯、形態模写で親しまれた翠みち代(みどり・みちよ=本名・黒川由紀江)さんが11日午前2時16分、肺がんのため、入院先の大阪市内の病院で亡くなっていたことが14日、分かった。82歳。この日、所属事務所が発表した。

 故人の遺志により、通夜は12日、13日に大阪市内で近親者のみで終えられた。

 翠さんは東京都出身。子供のころから浪曲に親しみ、69年から吉本興業に所属し、寄席興行へ出演していた。女性の演芸師はめずらしく、重宝された。

 近年は表舞台に出ることは少なくなっていたが、人情ばなしや深みのある芸で知られる夫の福団治を支えていた。

 福団治は今月1日、弟子の桂福車さん(享年56)を亡くしたばかりだった。