映画「レオン」で知られるリュック・ベッソン監督(58)が出席したSF大作映画「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」(30日公開)のジャパンプレミアを取材した。

 ある意味、監督の独壇場だった。日本語版声優のTHE ALFEEや、ゆりやんレトリィバァが登壇したが、監督はTHE ALFEEが声を演じた情報屋3人組について触れた。「3人組の吹き替えは日本とイタリアが良かった」。この作品は、吹き替え版が40カ国語ある。その中で、日本のTHE ALFEEの声を褒めた。

 当然ながら大喜びの高見沢俊彦(63)が、すかさず「ダメな国はありました?」と聞くと、「ドイツ」と即答した。ちなみに監督はフランス人。「国は好きだけど、3人組は身長が低くてかわいらしいキャラクター。ドイツ語のセリフとはちょっと合わない」と思いきりダメ出しした。

 その後も、セクシー衣装風のゆりやんに「本物のエイリアンか?」と真顔で聞いてみたり、ゆりやんが監督に、新作でも声優で使って欲しいと猛アピールすると、社交辞令でOKなどせずに、「ピッタリの役があればね」とやんわり断っていた。

 さらに、最後の写真撮影では、まだイベントは完全に終了していないにもかかわらず、「アリガトウ」と妙に丁寧な日本語で観客にあいさつしたまま、スタッフの制止も振り切って、手を振りながらステージから消えた。

 そのマイペースぶりに、THE ALFEEの坂崎幸之助(63)は「5つ年下とは思えない貫禄がありましたよね」と何だか楽しそうに話す。さらに桜井賢(63)も「さっさと帰りたかったみたい。『レッツゴー』って背中を押されたよ」と苦笑いした後、「世界的監督だからね」。高見沢も「さすが自由だよね」と納得顔だった。

 取材席に並ぶマスコミからも似たような声が聞こえてきた。写真や映像をあまり撮れなかったベテランカメラマンたちが、「世界的監督だからね…」と、ほとんどがあきらめ顔だった。

 自分が言いたいことを言って、自分が終わったと思えば撮影も強制終了。物事はマイペースで進め、おまけに、誰にも何も言わせない。やれ空気を読め、気配りだ、おもてなしだ、チームワークだ、という環境で育ってきたこともあったのか、この日のベッソン監督の振るまいは、圧倒的な存在感と迫力があった。決して、まねはできそうにないが。