タカラジェンヌを養成する宝塚音楽学校の106期生入学式が17日、兵庫県宝塚市の同校で行われ、元月組トップ紫吹淳と同期の毬菜友(まりな・とも)を母に持つ木村鞠菜(まりな)さんが、新入生総代として答辞を述べた。

 グレーの制服に身を包み、緊張の中に笑みも携えた木村さんは「清く正しく美しくの教えを守り、立派な舞台人になるよう限りない芸の道に精進することを誓います」。胸を張り、小林公一校長らがいる壇上へ向かって、言葉を発した。

 106期生40人は、昨年入学した105期本科生に迎えられ、式典の後は校章を胸に着けてもらい、中には感涙する新入生の姿もあった。

 式典後には、成績上位で入学した4人が取材対応。成績トップの木村さんは、受験可能な4回すべてを受験し、やっと最後の4回目で合格。「根性とやる気は誰にも負けません」と晴れやかな表情で語った。娘役志望で「夢にまで見たグレーの制服を着ることができて、たいへんうれしいです」と感無量の様子だった。

 2番目の丸山未来(みき)さん、3番目の佐藤里奈さんも娘役志望。丸山さんは「(元雪組トップ娘役の)咲妃みゆさんのような、かれんな娘役さんになりたい。チャームポイントは笑顔です」。佐藤さんは「(月組トップ娘役の)愛希(まなき)れいかさんのような、迫力のある踊りができるような娘役さんにあこがれています」と目標の先輩を掲げた。

 成績4番目で、男役志望ではトップの浜島里緒さんは「(元月組トップの)霧矢大夢(きりや・ひろむ)さんのような包容力と芯の強さを兼ね備えた男役さんを目指したい」と目を輝かせた。

 希望に満ちた40人を迎え入れた音楽学校の小林校長は、米大リーグのイチロー選手の言葉を紹介。「イチロー選手は『できなくて仕方ないと思うことは、後から思うことだ。途中で思ったら絶対に目標に到達することができない』と言っていたと聞きました。(競争率24・1倍で)皆さん1人1人の後ろには23人の涙がある。忘れないで、2年間励んで欲しい」と式辞を述べた。

 予科生となった新入生40人は早速、18日から授業を受け、6月ごろには最初の試験(中間試験)が控える。2年間、ダンス、演劇、声楽などのレッスンに励み、20年春の初舞台を目指す。