結成40周年を迎えたフュージョンバンド、カシオペア3rdのリーダーでギターの野呂一生(61)が大阪市内で日刊スポーツの取材に答え、自身が所属するバンドで結成10周年の「ISSEI NORO INSPIRITS(イッセイ・ノロ・インスピリッツ)」との初共演ライブを収録したブルーレイ(5月9日発売)をPRした。

 「Both Anniversary Gig『4010』」と名付けられたライブの完全ノーカット版は、ともに野呂が率いるWスーパーバンドの歴史が交差する記念碑でもある。そもそも2つのバンドが並立した経緯は何か?「2009年にカシオペアの活動を休止させたとき、これで終わるかなと感じていた。これからは、のんびりしたペースで楽曲を制作しようと考えたとき、インスピリッツを立ち上げたんです。そんな中で2011年に東日本大震災が起きて、音楽の力で元気になってもらえたらと、カシオペアを3rdとして再開させました」。ただし、同じ鍵盤でもカシオペア3rdの大高清美はオルガン、インスピリッツの扇谷研人と林良はシンセサイザーというように楽器が異なるので、例えば休符の付け方など作曲も変わると言う。「今まで別々にやっていたバンドだったのでそれぞれ楽曲は知っているが、初対面のメンバーもいたり面白かった」と笑顔。映像を見ると、それぞれの楽曲の親しみやすと、演奏の超絶技巧、そして両者のコラボで実現した野呂作品の音の広がりを感じることができる。

 「40年は長いがあっという間」と話す野呂だが、「毎日、次は何をやろうかを繰り返してきた。楽曲作りは1カ月くらい頭の中でイメージを広げて準備して、ある瞬間にハッとできる。その繰り返しです」と地道な創作活動を続けてきた。

 ブルーレイは昨年12月24日の東京公演を完全収録。野呂本人によるメンバーへのインタビューなど特典映像も収録。野呂一生の音楽の世界観を存分に堪能できる。