シンガー・ソングライター小田和正(70)が4日、グランメッセ熊本で全国アリーナツアーを開幕させた。昨年9月に古希を迎えて初のツアーで、自身の持つ最年長アリーナツアー記録を更新。オフコース時代の名曲「さよなら」や代表曲「ラブ・ストーリーは突然に」など32曲、持ち前のハイトーンボイスで7500人を魅了した。

 約1年半ぶりとなった今回のツアーは、10月末の千秋楽(横浜アリーナ)まで、全国21カ所48公演で40万人を動員予定。お盆の時期を除き、ほぼ毎週公演を行うことから、スタッフからは当初、体力面などを考慮し、公演数など規模を小さくする案も出たというが「(前回と)同じ規模でやらなければ意味がない」と小田は譲らず。約1カ月のリハーサルの合間にジムに通って体重を5キロ絞って備え、この日も全長240メートルの花道を何度も走った。

 人気、実力も衰え知らず。今月2日発売の最新シングルは、TBS系ドラマ「ブラックペアン」(日曜午後9時)主題歌「この道を」など4曲全てがタイアップ曲。関係者によるとタイアップの依頼は絶えずあり、ツアー開催が発表された昨秋から、ファンクラブ会員も1万人増えたという。

 昨年、長年コンサートの舞台監督を務めた年下の戦友が亡くなり、1月に親友の星野仙一さんも亡くなった。「もう70歳になって。うかつに次の約束はできませんが、とにかくみんな元気で頑張りましょう」。ファンの声がある限り、小田はステージに立ち続ける。【大友陽平】