「花街の母」など、多数のヒット曲を手がけてきた作詞家もず唱平氏(79)が5日、地元の大阪府枚方市内で、昨年9月から続いた「作詞家50周年記念スペシャルコンサート」のファイナルを迎えた。

 67年に「釜ヶ崎人情」を書き、作詞家デビュー。大阪を拠点に、第一線で活躍し続けてきた。

 この日は、鳥羽一郎(66)や川中美幸(62)ら、9人の“もずチルドレン”が集結。もず作品などを熱唱し、記念に華を添えた。もず氏は「作詞家冥利(みょうり)に尽きます」と感激しきりだった。

 公演途中には、別日に同コンサートに出演した八代亜紀(67)と中村美律子(67)からお祝いのメッセージ。さらには、親交のある浜村淳(83)がサプライズで登場。「これからも、いい歌をたくさんたくさん、作ってください」と花束を渡し、祝福した。

 デビュー当時は劇作家になりたかったと話したもず氏。師匠として慕った詩人で作詞家の故喜志邦三氏に出会ったことが一番の思い出と語り、「(喜志)先生に会っていなかったら、命なかったかも分からん。先生に出会えて、今日があります」と感謝の思いを述べた。

 作詞家50年を振り返り、「あっという間。まだまだ後悔しきりです。もうちょっと頑張ってみようかなと思いました」と感慨深い様子だった。

 もず氏が作詞した「宵待しぐれ」などを披露した川中は「中学2年生の時、(もず氏に)スカウトしていただきました。兄であり、父のような存在です」と言葉を贈った。