2日に慢性閉塞(へいそく)性肺疾患で亡くなった落語家桂歌丸さん(享年81)の告別式が11日、横浜・妙蓮寺で営まれ、落語界、芸能界関係者約1000人、ファン約1500人の計2500人が参列した。祭壇は横浜の海をイメージし、地元横浜の人々も数多く参列し、別れを惜しんだ。

 弔辞を読んだ林家木久扇は、先月20日に歌丸さんを見舞った時の様子を語った。「パンダの食事はパンだ」などと発声練習をしていたとし、「元気になって、やる気なんだなと、思っていた」と明かした。

 「思い出は楽しかったことしかない」とし、四十数年前に一緒に海外旅行に行った際のエピソードを語った。「タイからシンガポールに行く飛行機を待っていて『ドルをどれくらい持ってきたの?』って聞いたら、規制に引っ掛かるほど持っていた。トイレで歌丸師匠が上半身裸になり背中に貼り付けたんだけど、飛行機に乗り遅れて大笑いしたことがあります」と話した。

 一方、涙ながらに弔辞を読んだ中村吉右衛門(74)は「結婚時、奥さんが『(歌丸さんの)将来にかけてみよう』とおっしゃったとか。師匠の人間性、奥さんの度量の大きさに感服しました」と述べた。「全てやり尽くして旅立ちました。『勝ち逃げはずるいよ』。お疲れさまでした」と結んだ。【上岡豊】