落語家笑福亭鶴瓶(66)が鈴木亮平主演のNHK大河ドラマ「西郷どん」(日曜午後8時)で岩倉具視を演じている。99年「元禄繚乱」以来の大河。岩倉を演じる思いや俳優業への意識、現場の雰囲気を聞いた。

 「500円札の人としか知らなかった。悩みました。でも段々、こんな人というのが分かって面白くなってきました」

 岩倉の魅力はどこか。

 「公家の中では下級で、抑えられ、悔しさもあって、このままで終われないというのがずっとあるのは面白い。ここでいいとは思わない。僕もそうです」

 使節団を率いて渡航するバイタリティーも共感?

 「僕にはできない。いつも楽しく生きたい人間ですから。1つの船でオッサンばかり乗って2年もかけて戻るなんて絶対いや。そこは全然違います(笑い)」

 鈴木亮平、瑛太とは現場でどんな雰囲気か。

 「2人と仲がいいんです。でも、鈴木はボロカスに言います。ボロカスです」

 何があったのか。

 「あいつら人のせりふも覚えていて、少し違うと、俺のやり方なのに間違えたと思うんです。亮平に『よれよれじゃないですか』と、いつも怒られる。でも監督はOKしてくれるんですよ。現場は楽しいです」

 俳優業の位置づけは。

 「無責任ですが、お笑いはプロ、落語は職業。役者は嫌いじゃないけど、本職じゃない意識がどこかにある。亮平は『それでよく映画でたくさん賞を取りましたね。周りの人のおかげです』とか言う。俺も自分の手柄とは思ってないですよ。運があると言ってます」

 仲の良さがうかがわれる。最後に大河の影響を問うと鶴瓶らしい期待。

 「これで当たったらまた、今年の紅白の司会をできるかも。07年の1回しかやっていない。返り咲きで紅白の司会があるかも」

 主演の鈴木をさしおいて紅白の司会願望。また鈴木にいじられそうだ。

 ◆笑福亭鶴瓶(しょうふくてい・つるべ)1951年(昭26)12月23日、大阪生まれ。72年に故笑福亭松鶴さんに入門。03年に東西、協会を超えた「六人の会」を結成。ドラマは13年TBS系「半沢直樹」、今年1月期「99・9-刑事専門弁護士」。映画は08年「母べえ」、初主演の09年「ディア・ドクター」、10年「おとうと」など。07年のNHK紅白歌合戦で白組司会。