元AKB48の女優渡辺麻友(24)がフジテレビ系、オトナの土ドラ「いつかこの雨がやむ日まで」(土曜午後11時40分)に主演している。昨年12月にAKB48を卒業後、初の連続ドラマ出演となる。

 渡辺が演じる主人公・北園ひかりは15年前、11歳の時に兄の国彦(桐山漣)が恋人のミュージカル女優・麻美(三倉茉奈)を殺して殺人犯になったことから人生が一変した。故郷を去り、現在はキャバクラに勤めながら、ミュージカル女優になることを夢見ている。国彦の出所が決まり、ひかりは別れを告げるために刑務所の外で待ち受ける。そこで国彦は「俺は殺していない」と衝撃の告白をする。そしてまた、新たな事件が起こるラブサスペンス。

 18日放送の第3話からは、15年前に殺された麻美(三倉)の姉・千尋が登場した。千尋を演じる星野真里(37)は「15年前の妹の事件に、千尋が何やら関係がということは最初にプロデューサーさんから聞いていて、そんなバックグラウンドをふまえて現場に入りました。ただ、なぜ国彦のそばにいるのか、いまどういう状況で暮らしているのか、千尋が何を思っているのかなどは台本を読むたびに知っていきました。そのつど“!?”となって、驚きつつ演じています」と笑っている。

 25日放送の第4話では、幼なじみの谷川和也(堀井新太)が「出会わなきゃいけないから俺たちは出会ったんだ」と言いながら、ひかり(渡辺)を強く抱きしめる。15年前に交わした約束通り、ひかりを守る。その思いが、閉ざしていたひかりの心を解きほぐす。和也の背にそっと手を添えるひかり。つかの間の幸せ、そして安息。だが、その陰で和也の恋人の三上沙耶(筧美和子)の嫉妬が大きく燃え広がろうとしていた。

 和也の説得のおかげで、ひかりは劇団「ウミヘビ」にも戻れることになる。演出家の天竺要(吹越満)は劇団員全員の総意として「ここがひかりの居場所だ」という言葉をひかりに贈る。ただし、ジュリエット役は天竺芽衣(宮澤エマ)が演じることになる。劇団に戻れるだけで十分と感謝するひかりだった。

 一方、和也は自分の気持ちをちゃんと沙耶に伝えようとしていた。だが、そんな和也の思いを知ってか、沙耶は勝手に両親との会食の席をセッティングしてしまう。さらに和也は、義兄の幸一郎(間慎太郎)から、板前として働いている実家の料亭「たにがわ」が経営危機であることを聞かされる。沙耶の父親は「たにがわ」のメインバンクの役員。和也は、ひかりへの思いと家族への思いの板挟みになってしまっていた。

 そんな和也の状況は知らず、ひかりは和也と少しずつ心を通わせ合っていた。それは兄・国彦(桐山)の事件以来、15年間ずっと闇の中を歩いてきたひかりの人生にようやく差したひとすじの光だった。「ひかり、最近ちょっと優しい顔になった」。母・由布子(斉藤由貴)の言葉に戸惑うひかり。そんな中、由布子が劇団復帰のお祝いをしようと言い出す。そんな余裕があるはずもないのに、といぶかるひかりに、和也が招待してくれたのだと告げる由布子。それがまさか嫉妬にかられた沙耶の策略によるものだとは、ひかりは予想だにしていなかった。

 さらに、追いかけてくる過去の罪が、ひかりを再び窮地に追いやる。15年前に亡くなった麻美(三倉)の姉・千尋(星野)の元に身を寄せていた国彦は、15年前の犯人への報復を進めようとしていた。千尋に迷惑をかけていることをわびる国彦。そんな国彦に、千尋は感情を殺したほほ笑みを浮かべながら「あなたは妹が愛した、大切な人だから」と言う。