「ちびまる子ちゃん」の原作者さくらももこさん(享年53)が、15日に乳がんのため亡くなったことが公表され、一夜明けた28日、親交があった漫画「ONE PIECE(ワンピース)」の作者・尾田栄一郎氏(43)が追悼イラストを発表した。「ONE PIECE」の主人公ルフィと、まる子が一緒にバーベキューを楽しんでいる様子を描いた。また、フジテレビはこの日、さくらさんを追悼し、9月2日放送回の内容を変更すると発表した。

尾田氏が描いた追悼イラストには「ONE PIECE」の主人公モンキー・D・ルフィが、ちびまる子ちゃんと一緒に大好きな骨付き肉を網で焼き、笑みを浮かべる様子が描かれた。背景には、食事もともにするなど、2人の人気漫画家の深い親交があった。

きっかけは、さくらさんが「ONE PIECE」の面白さにはまったことだった。アニメ「ちびまる子ちゃん」と「ONE PIECE」を放送するフジテレビの社員から、尾田氏の娘も「ちびまる子ちゃん」を喜んで見ていると聞いてサインを贈ったという。尾田氏からはルフィと“麦わらの一味”の仲間チョッパーが描かれたサインをもらったという。さくらさんの息子も「ONE PIECE」ファンだった。

その後、対面が実現。尾田氏は「週刊少年ジャンプ」に「さくらももこさんと初対面。なんつー愉快な人だ。手製カレーなんつーうまさ」と感想をつづった。尾田氏はさくらさんより10歳下。その後もメールでのやりとりが続き、尾田氏は「尾田先生と言っていただくのは恐縮なので、尾田っちとかでいいです」と依頼。さくらさんも「ももちゃんと呼んで」と返し、「尾田っち」「ももちゃん」と呼び合っていた。

2人の対談は、14年7月22日に出版されたムック「さくらももこ編集長おめでとう デビュー30周年記念」で実現。尾田氏は当時、「週刊少年ジャンプ」に「この原稿が上がったら、ももちゃんと対談してきます。宴をやるらしい。対談なのに」とコメント。妻子を伴って、さくらさんの自宅で対談することをうれしそうに予告していた。

フジテレビは9月2日放送回の内容を変更し、90年1月7日放送の第1話をリメークし、11年10月16日に原作25周年を記念し放送した「まる子、きょうだいげんかをする」と「まる子、つづらの中身が知りたい」を再放送すると発表した。