俳優舘ひろし(68)が、1930年代の大日本帝国海軍を舞台にした映画「アルキメデスの大戦」(山崎貴監督、来年夏公開)で、後の海軍大将(劇中では少将)山本五十六を演じることが24日、分かった。

今月中旬に撮了し、舘は俳優人生初の丸刈りで臨んだ。

菅田将暉(25)主演で、同名漫画が原作。超大型戦艦「大和」の建造計画をめぐる海軍上層部の攻防を描いた。舘演じる五十六が、膨大な戦費が戦艦建造に費やされる懸念から計画に待ったをかけ、菅田演じる天才数学者の櫂直(かい・ただし)を海軍に招き入れる-という設定だ。

これまで三船敏郎、山村聡、小林桂樹、役所広司ら、そうそうたる俳優が五十六を演じた。舘は「感謝の気持ちでいっぱいです。男子ならばやはりやってみたい役。第2次世界大戦前の少し若い時代を演じるということで、文献を読みなおし、数々の名優が演じられたものとちょっと違う山本五十六を意識しました」とコメント、短髪の要望には「すごくうれしかった」と振り返った。撮影期間中の今月上旬にはモントリオール世界映画祭で最優秀男優賞を受賞、弾みもついた。

「人間的な五十六を描きたい」という山崎監督の意図に舘がはまった。同監督は「館さんの持っているしゃれた雰囲気や優しそうな人柄、奥に光る芯の強そうな気配。一番ふさわしい」と話している。ほかに浜辺美波、柄本佑、小林克也、小日向文世、国村隼、橋爪功、田中泯が出演する。