第31回東京国際映画祭ラインアップ発表記者会見が25日、東京・虎ノ門ヒルズで行われ、松岡茉優(23)が映画祭のアンバサダーを務めると発表した。

松岡は席上で「万引き家族」(是枝裕和監督)で共演し、15日に亡くなった樹木希林さん(享年)の存在、女優としての遺志を次代の俳優たちに伝えていくことを誓い「樹木さんのようになりたい」と宣言した。

松岡は樹木さんとの思い出を聞かれると「思い出は、それはそれはたくさんある宝物…何だろうなぁ。でも、悲しいなという気持ちはあまりなくて」と語った。

悲しいという気持ちが、あまりない理由については「1度、映画の中でお別れをしています。そこで、ありがとうをたくさん言えた。2度目のお別れのような感じがしておりますので」と、「万引き家族」の劇中で樹木さんが亡くなる役どころを演じたことにちなみ、そのシーンで別れを経験したと説明した。

その上で「同じ時代に生まれ、作品を見られる時代に生まれ、新しい時代につなげる役割として誇りを持って、さらに勉強して樹木さんのようになりたいし、次の世代に渡せる存在になりたいと決意している次第です」と語った。アンバサダー就任を、樹木さんがどう見ていると思うか? と聞かれると「『また、髪形をこだわるでしょ』って。見てくれを気にしていると言われたので」と言い、笑った。

松岡は前回の第30回同映画祭で、初主演映画「勝手にふるえてろ」(大九明子監督)がコンペティション部門に出品され、作品は観客賞、松岡自身も全部門の出品作から宝石のような輝きを放った若手キャストを選出する、新設の東京ジェムストーン賞を受賞した。ただスケジュールの都合で、授賞式には出席できなかった。松岡は「映画祭に花を添えられるように、若手に力を見せられるように頑張りたいと思います」と笑みを浮かべた。

アンバサダー就任については「私でいいんですかね。新しい東京ジェムストーン賞の、第1回に選んでいただいた。その1年後にアンバサダー…いいルート、タイミングで進んでいると自信が持てました」と喜んだ。そして「観客賞をいただくと、最後にもう1回、特別上映をしていただける。ドラマの撮影が早く終わったので伺ったら、国際色豊かな笑い、悲しさが漏れてきて…すばらしい時間でした」と前回の映画祭を振り返った。

そして「ショッピングを楽しんだり、美術館をお邪魔したり、映画を楽しんだりしている…いつも遊ばせていただき、学ばせていただいている六本木ヒルズが、お祭りになる」と地元・東京での映画祭に意欲を見せた。【村上幸将】