初期の肺がんであることを発表した落語家三遊亭円楽(68)が30日、東京・新宿の芸能花伝舎で開催された「芸協らくごまつり」に出演し、トークショー「追悼 桂歌丸を偲ぶ」を行った。

7月に亡くなった落語家桂歌丸さん(享年81)のことを「怒られたことは一切ない。怒ったことはある」として5年前のエピソードを披露。「舞台の袖で、センスをパチパチとやるのがくせ。悪いけど、その音が高座の邪魔。指摘をしたら『楽さん、ごめん』と謝った」。

そして、歌丸さんの中にある「真面目の中の狂気」にも触れた。「一家をなした人は、どこかおかしくてわがまま。歌丸師匠も、意地っ張りの変人。ボンベをやって、鼻にチューブを入れて高座に上がっていた。そこまでするのは狂気ですよ。とにかく落語をやりたいという信念です。美学です」。知り合って約半世紀に及ぶ偉大な師匠をしのんだ。

イベント後、病気について聞かれると「自覚症状はなく、検査で見つかった。静かに見守ってもらいたい。(病院から)出てきたら暴れるから。積極的に落語をするし、積極的に生きていきます」と話した。

円楽は28日に所属事務所の公式ホームページで病状を発表。10月4日から11日まで入院し、退院翌日の12日から仕事復帰する予定だ。