落語家桂米団治(60)が4日、大阪・サンケイホールブリーゼで還暦&はなし家生活40周年記念独演会をスタートさせた。節目を記念して全国30カ所以上を回る。

上方落語協会会長の笑福亭仁智(66)がゲスト出演した初日の口上では、紋付きはかま姿でこれまでを振り返った。戦後の上方落語を復興させた故桂米朝さんを父に持ち「(これまで)いろんなことがありました。一番の大きなことは、桂米朝の家に生まれたことでございます」と笑わせ、偉大な父に感謝した。

昨春には、父が作った米朝事務所の代表取締役社長に就任した。落語家と社長という二足のわらじで「一番しんどいのはやはり経営」。仁智会長が所属する吉本興業と自らの事務所を比べ「米朝事務所は非常に芸人にとって優しい事務所」と話し「天引きが2割。今もそう。吉本は仁智さんに聞くと8割」と経営の苦労話で笑いを取った。

天引き率の理由については「米朝、(故人の桂)枝雀がどんどんレコードを売ったから」と説明しながら「2人とも亡くなって『後どうすんねん』という時に、私にバトンタッチ。大変でございますが、また新しい風を起こそうと思う」と意気込んだ。

公演では古典の2席「稽古屋」「高津の富」を披露した。60年を振り返るスライドショーも流され、高校時代の文化祭で双子の弟と一緒に開いた「3兄弟落語会」の音源も初公開された。

創作落語「EBI」を披露した仁智会長は「還暦過ぎると面白くなるんです、私生活が」と上方落語協会副会長でもある米団治に言葉を送り「落語も味が出てくる」と期待した。