歌手で俳優の黒沢年雄(74)が14日、東京・渋谷の道玄坂上からスクランブル交差点までの約1キロを練り歩いた。

25年ぶりにリリースする新曲「ゆかいなじいちゃん」のPRを兼ね同曲の衣装に白髪のカツラ、赤フレームのサングラスという、季節外れのハロウィーンのいでたちで歩くと、街行く人は「えっ、誰?」と振り返っていた。109前の交差点ではスキップも披露した。

新曲PRだが歌唱はせず、黒沢の「みんなを元気にしたい」という思いを実現した。「思った通りの反応でした」とほほ笑み、「みんな笑ってくれたし、振り返ってくれた」とご満悦だった。

「活動できるのはせいぜい5、6年。芸能人としての僕の使命は、人を楽しませること。とにかく死にものぐるいでやる」と宣言した。また、「みんな羞恥心とプライドが高すぎ。これを聞いた誰かが頑張ってくれたらいいなと」と呼びかけた。

引退について「足腰が立たなくなって、せりふが少しでも覚えられなくなったらキッパリ辞める。本気です。それが僕の美学」とし、「80歳を過ぎて病気したら手術もしません」とその決意を語った。

目標はNHK紅白歌合戦の出場だ。「人生で今年1度だけでいいので紅白に出たい」。かつて「時には娼婦のように」が大ヒットしたが、紅白出場はかなわなかった。「放送禁止になったんです! 今回の曲はまさにNHK向け。歌手には歌えない、俳優の自分だから歌える曲」とアピールした。「とにかく、みんなに元気になってほしいんです。そのためにはなんでもやります」と並々ならぬ決意を口にした。

13日に心不全で亡くなった女優市原悦子さん(享年82)とも共演している。コメントを求められたが、「今日の雰囲気からだとちゃかすようになってしまうので、お断りしたいです」としたが、「素晴らしい方だったと思います」と話した。