歌手三丘翔太(25)が16日、4枚目のシングル「散歩道」(作詞・神戸陽三、作詞・桧原さとし)を発売した。団塊世代の老夫婦をテーマに、妻に先立たれた夫が春夏秋冬、2人で歩いた散歩道をたどって思い出をしのぶ。

まだ25歳で独身の三丘は「最初は、どうやって歌えばいいのかと思いました」。所属事務所の佐藤宏栄社長から「自分のおじいちゃんとおばあちゃんを思い浮かべて歌えばいいんだよ」とアドバイスを受けて、吹っ切れた。

10歳から祖父母と一緒に暮らした。横浜で造園業を営む75歳の祖父は、夜は71歳の祖母と共にカラオケ喫茶を経営する。三丘は「家族なんで、祖父母を夫婦として意識して見たことはありませんでした。横浜や鎌倉を祖母と一緒に散歩して、祖父の話を聞いたりしました。でも祖父の気持ちというより、おじいちゃんの手紙を読むような気持ち、孫目線で歌いました」と言う。

今回は東貴博率いる笑塾のメンバーのコメディアン、中山少年(23)がほのぼのとしたイラストでPVを作った。インスタグラムで漫画を発信する中山は7万人のフォロワーを持つが動画は初挑戦だ。「若い2人で老後の歌のPVを作るというのでビックリしたけど、おばあちゃんが喫茶店をやっていたので、僕もお年寄りと接することが多かったので大丈夫でした」。

演歌のPVと言えば歌手本人が、どアップで登場するのが基本。三丘も「最初は自分が出てこないので寂しい気がしたけど、とても温かい絵を描いてくれました」。中山は「最後に登場する5歳の孫は三丘さんがモデルです。ちゃんとトレードマークのちょうネクタイも描きました」と笑っている。

三丘は20日でデビューから、丸3年、4年目に突入する。「新鮮な気持ちを忘れずに、自分の持っているものを大事にしながら、新しいものにチャレンジしていきたい。昭和の時代から継承した素晴らしいものを受け継いで、次の世代にちゃんと橋渡しができるように実力をつけていきたい」と話している。