お笑いコンビ、ガンバレルーヤのよしこ(28)が映画「Bの戦場」(並木道子監督、3月15日公開)で、映画初出演で初主演を務めている。イケメン2人から同時に求愛される“絶世のブス”のウエディングプランナーを真っ正直に、そして美しく演じている。昨年暮れの大病を乗り切ったヒロインの素顔に迫った。

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よしこが演じるウエディングプランナー香澄は、自分の結婚をあきらめていた。だが、上司の役の速水もこみち(34)と、出入り業者役の大野拓朗(30)の2人から求愛される。ガンバレルーヤが大ブレーク前の、昨年3月に撮影された。

よしこは「ドラマも映画も出たことがなかった。これが初めてのお芝居」と“演技処女”だったことを強調。フジテレビ系月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」などを演出した並木監督からは「月9のヒロインになったつもりで」と言われた。よしこは「最初は『よしこはブス』と思っていても、最後は『よしこはきれい』と思わせるのが狙いだと思います」と振り返る。

求愛される相手が、あの、速水もこみち。「生で見た時にとんでもない破壊力。イケメンでスタイルが良くて、顔が小さい。大野さんもかっこよくて、本当に恋をしているようでした。私が恋をしているドキュメント映画の感覚です」。

役作りには苦労した。「不安がありました。“絶世のブス”の外見より、ピュアな中身を磨きました。ウエディングプランナーもお笑いも、人を喜ばせるのは同じですから。泣くシーンは大変だったんですが、本当に涙が出てきた。やっぱり自分は、生粋の女優なんだと思いました」と笑う。

映画出演で、世界が広がった。「病気から復帰して、もこみちさんから『いろいろ大変だったから』ってピンクのふわふわのブランケットをプレゼントされました。使わずに、死んだ時に棺おけに一緒に入れてもらいます。ただ残念なのは、監督に『キスシーン入れてくださいよ』って言ったら笑ってかわされたこと。続編を作ってキスシーンをやりたい」。大野からは、何度も食事に誘われた。「軽い女と思われちゃいけないから断っている。多分、私のことを本当に好きなんだと思います(笑い)」。

昨年11月に下垂体腺腫で1カ月間、休んだ。「忙しかったけど、事務所が体調を優先してくれて、すぐ手術できた。直径3センチくらいの“キンタマ”を取ったけど、もう完全に元気。今までは顔だけでしたが、今年は芸人としての地肩を鍛えてネタで生き残りたい」。目標は病気で決勝を欠場した日本テレビ系「THE W」の頂点。「また出て、優勝を狙いたい」。お笑い界でも主演を狙っている。【小谷野俊哉】

<よしこの病気経過> 

▼18年11月16日 人間ドックでホルモン産生の良性腫瘍が見つかり下垂体腺腫と診断、手術、治療のため休養することが発表される。

▼同12月10日 日本テレビ系「女芸人No.1決定戦 THE W」の決勝を欠場。代わりにニッチェが出場。

▼同15日 TBS系「ドリーム東西ネタ合戦2019」の収録で仕事復帰。

▼同17日 月曜のリポーターを務める文化放送「大竹まことゴールデンラジオ!」のレギュラーに復帰して、生放送で病状報告。

◆よしこ 1990年(平2)10月24日、愛知県豊田市生まれ。高校卒業後の3年間、介護の仕事で働いた後の12年にNSC大阪校入所。最初はトリオを組んだが解散、相方のまひる(25)と同年12年6月12日にコンビ結成。最初はまひるがボケ、よしこがツッコミだったが交代。趣味は星を見ることとサクセスストーリーの映画を見ること。158センチ、67キロ。血液型A。