浅野ゆう子(58)が昭和の名作を新時代でも語り継ぐ。舞台「細雪」(27日まで)の取材会が9日、東京・明治座で行われた。大阪船場の老舗商店の4姉妹を主人公にした谷崎潤一郎の同名小説の舞台版。1966年の初演以来、上演回数は1570回を超える。

今回は長女役の浅野以外、次女役の一路真輝(54)三女役の瀬奈じゅん(45)四女役の水夏希(46)は宝塚歌劇の元男役トップスター。167センチの浅野は「昭和から長く続いた作品を、令和という新しい時代に演じられて幸せ。私たちが自信を持っているのは歴代の中で一番でかいこと。負けません」と高身長をアピール。164センチの一路も「(平均は)166センチくらい。面積が広いので、着物の柄もよく見える」と笑いを誘った。

元宝塚女優との共演に浅野は「心はタカラジェンヌ。なよっとしている方が1人もいなくて男前。せりふを間違える時も堂々とやる。明るくさっぱりしている4人の集合体で居心地がいい」と言えば、一路は「私たちは宝塚を辞めて『女優にならなきゃ』と頑張る中で、女優として活躍する浅野さんが1番の男前だった。浅野さんの男役を見てみたい」とリクエストした。

浅野は17年末に同世代の一般男性と結婚した。夫の観劇予定を聞かれると、「来てくれます。いつですかね。仕事があるので」と幸せそうに話した。【林尚之】

◆「細雪(ささめゆき)」 谷崎潤一郎の小説をもとに、菊田一夫の脚本で1966年に芸術座で初演され、上演を重ねた。長女役に淡島千景、佐久間良子、高橋恵子、次女役に新珠三千代、八千草薫、池内淳子、山本陽子、賀来千香子、三女役に遥くらら、多岐川裕美、沢口靖子、紺野美沙子、四女に桜田淳子、熊谷真実、南野陽子が演じた。