12日に亡くなった女優京マチ子さん(享年95)について、フジテレビの次期社長に就任予定の遠藤龍之介専務(62)は14日、同局で思い出を語った。京さんがマドンナを務めた76年公開の映画「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」に、慶大生時代にスタッフとして参加していた。

遠藤専務は「助監督と言っても、アルバイトで下っ端の下っ端、一番下で働いていた。大女優だったけど、すごく優しかった。品格のある、いい女優さんでした。いかにも昭和の大女優という感じの方でした」としのんだ。

◆京(きょう)マチ子 1924年(大13)3月25日、大阪生まれ。36年に大阪松竹少女歌劇団に入り、49年に大映に入社。同年の映画「痴人の愛」で注目される。ベネチア映画祭グランプリを受賞した50年の「羅生門」(黒沢明監督)で主演を務め、その後もカンヌ国際映画祭で53年の「地獄門」(衣笠貞之助監督)がグランプリに輝くなど出演映画が数々の国際映画祭の最高賞を受賞したことで「グランプリ女優」と呼ばれた。56年にはアメリカの映画「八月十五夜の茶屋」にも出演。テレビは64年のフジテレビ系「あぶら照り」が初出演。好きな言葉は思いやり。趣味は乗馬、釣り、ゴルフ。