池田エライザ(23)主演の映画「貞子」(中田秀夫監督)の公開御礼舞台あいさつを取材した。

池田は風疹で療養中のため、主演不在の舞台あいさつとなった。しかし、それを補うような中田監督の軽快なトークが印象に残った。

ハリウッド版「ザ・リング2」以来、14年ぶりに同シリーズを監督する。「リング」公開から20年が経過しており、中田監督は「時代の変遷を経て、どう貞子を描くか悩んだ」と話す。「リング」では、見たら呪われる“呪いのビデオ”がキーアイテムだった。今作では、動画配信者がアクセス数稼ぎのために撮った火事現場への潜入動画が呪いのきっかけとなる。ユーチューバーが広く認知されるようになった今、モチーフはいかにも現代的だ。

過去作との違いはシリーズの名場面にもうかがえる。貞子がテレビからはい出てくる有名なシーンについて、「リング」にも出演していた佐藤仁美(39)から「あの頃はブラウン管だったけど、貞子はどうやって出てくるんだろう。今テレビ薄いけど、と思ってました」と疑問を投げかけられると、監督は「お気づきの通り、もちろん薄型です。でもなぜか(今作では)古めかしく、奥行きのある箱に入ってます。あれで、ちょっとカバーしてます」と大まじめに新作における貞子登場の秘密? を解説し、笑いを巻き起こした。「この問題を20年、ずーっと我々は抱えてきた。小さいスマホから出てきたらどうしよう、とか。20年なかなか解けない」と続けた。

清水尋也(19)がハンディカメラを持ち動画を撮影するシーンでは、本人に約8分間撮らせたという。ともに登壇した桐山漣(34)によると、監督は「演出がミリ単位」。先の清水のシーンでも「なんとかいっちょかみしたいというか。何か言いたい監督としてはそばに付いていたいけど、助監督から『いるだけ邪魔なんで、全部清水さんに任せて』と言われた」とがっかりした様子で話した。清水の撮影をヤキモキしながら待っていたようで「(撮影中の)声だけ聞いてニヤニヤしていました」と明かし、また笑いを誘った。

ユーチューバー風の動画撮影のシーンでは「変なところでカットをかけて、助監督にすっごい怒られた」とまたションボリ。その後動画配信のいろいろを指導されたようで「だからまあ、教わりながら撮りましたよ」と、若干の大人げない口調も監督の人柄を表しているように思えた。

貞子がはい出すシーンはトラウマ級に記者の脳内に焼きついており、ホラーの類いはできるだけ遠ざけて生きてきた。一方で監督の愉快な人柄は印象に残り、「こういう人が作ったものならば、『貞子』を見てみたいかも」と思う自分もいる。【遠藤尚子】