ほら吹き漫才の第一人者で故横山やすしさんの弟子の漫才師、横山たかしさん(本名・山高孝=やまたか・たかし)が1日午前3時51分、多臓器不全のため、大阪市内の病院で亡くなっていたことが2日、分かった。70歳。今年4月ごろに体調がすぐれず検査入院。体調が戻ることなく、親族にみとられ亡くなった。葬儀は密葬で終え、後日、お別れの会を大阪市内で開く。

金ピカ衣装で「大金持ちのおぼっちゃま」を演じ、赤いハンカチをかみ「すまんのぉ~」。独自の型を確立したたかしさんは14年以降、腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症や腸腰筋膿瘍(ちょうようきんのうよう)の手術。そのたび自称「純金48億円車いす」で復帰し、昨年12月まで活動した。

最近は意識が混濁する日もあったが、見舞った相方の横山ひろし(72)が漫才映像を流すと表情に活気が戻ったといい、最後まで漫才への意欲がうせることはなかった。コンビで94年に上方漫才大賞。荒唐無稽な「ほら吹き漫才」を貫いた。

◆相方の横山ひろし (病室で漫才映像を見せ)「ありがとう」と互いに言い合い、別れたのが、コンビとしての最後の言葉。自分たちにしかできない漫才ができて幸せだった。いい夢を見させてくれた。55年間、大きなけんかはせず、お互いに思い合えた関係だった。松竹芸能で「最長のコンビ歴漫才師」として頑張っていこうなと言っていたのに、最後の最後に“大ぼら”ふかれました。