湖月わたる(48)の舞台生活30周年記念公演「ドキュメンタリー・ミュージカル わたるのいじらしい婚活」(15日まで)が5日、東京・DDD青山クロスシアターで幕を開けた。

婚活をテーマに、事前に撮影したドキュメント映像と舞台上で進行する芝居がクロスする異色の舞台。湖月は「ステージと客席との距離が近く、スクリーンのように湾曲したバックにドキュメント映像が流れる中で演じるのですが、セットも背景も真っ白で、心情がそのまま伝わってしまう空間で、天井からまっすぐスポットライトがあたった時、身体が震えました。光が突き通ったような感覚とものすごい高揚感。心の奥底を見透かされるような怖さを感じました」。

宝塚はトップスター時代を含めて18年、退団後も「シカゴ」に出演するなど12年が経過した。「『芸能生活30周年記念公演』をお祝いの公演に留めるのではなく、役者として一皮むけたい、新しいものに挑戦して何かをつかみたいという思いが強くあった」。そのため、脚本と演出に若手を起用し、「いかに自分らしく心の葛藤をさらけだせるかを課題に取り組んできた」という。

宝塚時代からの仲間の朝海ひかるらが共演している。「稽古場でどんなに頑張って、汗をかいても、お客様が一緒に泣いて笑ってくださって初めて作品が完成されるということを、今回あらためて全身で感じています。この空間でお客様と過ごすひととき。この世界の厳しさにも、喜びにも、私は30年、魅了され続けているのだと思います。まだまだ通過点。1回1回、『挑戦と進化』を課題に追求していきます」と話している。