9日に死去したジャニーズ事務所ジャニー喜多川社長(87)の家族葬が、所属タレントが100人以上集合する“エンターテインメント葬”になることが11日、分かった。

今日12日に都内で執り行われる。11日にはKinKi Kids堂本剛(40)らが悼むコメントを続々と発表し、HiHi Jetsらもイベントでジャニー氏に感謝した。緊急連載「ジャニーズ王国の未来」第2回では、数々のスターを世に送り出したジャニー氏の「眼力」に迫る。

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「顔写真を見ただけで、成長してどういう顔になるか分かる」とまことしやかに言われるジャニー氏の眼力は、多くの関係者を「あれは説明のしようがない。神懸かっている」と驚かせている。数々のスターを排出したジャニーズ事務所の大きな財産と言っても過言ではないだろう。

77年。少年野球チームの監督の娘が、ジャニーズ事務所に1枚の写真を送った。チーム全員が写っている小さなスナップの集合写真。豆粒のような大きさの顔が並ぶ中で、ジャニー氏はある少年の顔に丸印をつけた。当時13歳の近藤真彦(54)だった。監督の娘に電話をかけ、近藤を誘った。ジャニー氏に見いだされスターダムの道を駆け上がった近藤は、のちに「自分で言うのも何だけど、ジャニーさんはやっぱりすごいよね」と感心していた。

他にも、東京・渋谷の街中を運転中、たまたまスクランブル交差点で信号待ちしていた当時小6だった東山紀之(52)の姿を見て、急いで車を止めて自らスカウトするなど数多くの逸話がある。タレントが事務所に入った後も、育成段階や、グループを結成する際に眼力を発揮。99年には、嵐のラストピースとして相葉雅紀(36)を加えてデビューさせるなど、メンバー個々の適性を見抜き、魅力的なグループを作り上げた。

ジャニー氏の「見抜く力」の源は、天賦の才はもちろんだが、タレントと常にコミュニケーションをとり、ともに生活していたこともあげられる。親しい関係者は「合宿所ではずっと一緒にいて、ステーキを作ってあげたりもしてましたから。ご飯を食べながら会話をし、タレントの個性を把握していた」と証言。ジャニー氏は大の野球好きで「後から見れば、野球経験者は積極的に加入させていた気がしますね。坂本(昌行)さんもそうです」という。

今後は、ジャニーズJr.の育成やプロデュースを担う滝沢秀明氏(37)が、人材発掘業務を引き継いでいく見込みだ。今年1月には、Jr.のラウール(16)をJr.内グループSnow Manに電撃加入させるなど、既に手腕を発揮している。滝沢氏は「まだまだ光っている人はいます」と話している。ジャニー氏のように直感的な採用もありそうだが、周囲のスタッフや、後輩タレントなどの話も参考にしながら、“タッキー流”でジャニー氏の眼力を受け継いでいきそうだ。【特別取材班】