吉本興業岡本昭彦社長(52)が22日、都内で、宮迫博之(49)田村亮(47)らによる反社会勢力を相手にした闇営業問題に端を発した一連の騒動について、記者会見を開き謝罪した。

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本日は、昨日の選挙が終わり、皆様お忙しい中、弊社の件でお集まりいただき、まずはたいへん申し訳ございません。まず何よりも今回、反社会勢力からタレントが金品を受け取ってしまったことで、事務所を代表しまして、深くおわび申し上げます。そしてファンの皆様、一連の関係社の皆様方、弊社の件に関しまして、たいへんご迷惑、ご心配をおかけしまして誠に申し訳ございません。そして何よりも、一昨日、宮迫博之くんと田村亮くんに、ああいう記者会見をさせてしまったことに、2人に対して深くおわび申し上げます。非常に辛い思いをさせてしまい、本当に申し訳なく思っております。つきましては処分の撤回を行いまして、改めまして彼らが、ミーティングの席に立っていただけるのなら、弊社、我々としましては、全力で改めて、ミーティングをさせていただき、そしていつの日か戻ってきていただけるような事があるならば、全力でサポートしていただけたらと思っております。

まず本日の会見でお伝えしたい2つの事についてお話しさせていただきたいと思います。ひとつはコンプライアンスの徹底。そして芸人、タレントファーストでこのことを考えるということであります。この2つが徹底されてこそ吉本興業が世界の皆様から愛され信頼される会社であり続け、笑顔の絶えない社会に貢献できると考えております。にもかかわらず、今回、所属タレントにおきまして、反社会的勢力から結果的にお金を受け取ってしまう事態が発生しました。つまり反社会的勢力の排除が徹底できておりませんでした。また芸人、タレントファーストで物事を考えるということに関しましては、吉本興業のお笑いを愛する芸人の人たちが、会社に対して不信感を募らせ、結果、先日のような会見を行う結果になってしまいました。これらは全て私の責任であります。

まずはコンプライアンスの徹底について、お話をさせていただければと思います。これらコンプライアンスの徹底という点につきましては、これまでの2回のコンプライアンス研修、24時間のコンプライアンスのホットライン、コンプライアンスの小冊子等を整備してまいりましたが、今回の事態を受け、より反社会的勢力の排除などを含めた全員の社員を含めまして、共同確認書を取り交わせていく準備を速やかに進めていきます。またコンプライアンスのホットラインにつきましては、全員に電話番号を設定していますので、その番号を徹底しいつでも、困ったときに、何かあるときに、すぐにホットラインに連絡をもらえるような体制をしていければと考えています。たとえば居酒屋等、食事をしている際にも反社会的勢力かもしれないという人からビールを勧められたりとか、写真を撮ったりとか等、断り切れないことがあった場合、速やかに連絡が出来る場所として社員やタレントの皆様に徹底していければと思っております。

続きまして、タレントファーストに関して、今回事実関係が十分明らかになっておらず、関係者、芸人たちの意志が定まらない状態で記者会見を行うことは、かえって芸人達を傷つけてしまうと考えた私と、1日も早く説明と謝罪をしたい芸人さんとの間で意思疎通が出来ず、結果として本人達に辛い思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。タレント社員を含めて、吉本興業は全員が家族ファミリーであると考えております。タレントが最高のパフォーマンスを出来るように我々がその環境をつくっていかなければならないということに関しましては、一度もブレたことがないと思っております。しかし、その思いが本人達に伝わっていなかったことは私の1番の反省であり、不徳の致すところであります。本人達とのコミュニケーション不足を痛感しております。多くの芸人タレントが所属する現在、大切な芸人さんとのコミュニケーションがおろそかになっているのではないか、日々の業務に追われ彼らの思いに真摯(しんし)に彼らの思いに耳を傾けることを怠っていたのではないかと非常に反省しております。もう1度、一から見直して考えていく所存であります。

吉本興業が笑いをお客さまに届けて笑顔の絶えない社会にするためには、まず笑いを届ける才能あふれる所属の芸人さんたちが、自分らしく活躍でき生きていくことが出来ることが、何よりも大事であるにも関わらず、その根本となる信頼関係が揺らいでいる現状につきまして大変、責任を感じております。その意味で今回の宮迫くんと亮くんは笑いをお客様に笑いを届ける芸人であり、彼らが自分らしく生きていける才能を発揮できる環境になかったことを、本当の意味で、芸人タレントファーストが実現できていなかったことを彼らに対しまして心からおわびを申し上げたいと思います。先ほども申し上げましたが、もし彼らの気持ちが受け入れてもらえるのならば、同じテーブルに向かい合って、彼らの思いに耳を傾け、最善の解決策を考えて参りたいと思います。

明石家さんまさんに芸人さんのことを考えてやって欲しい。もちろん会社の立場もあろうけれども、もし解除するんだったら、俺が手伝ってやってもええかと、そういう、ちょっと間違いを犯した子たちをサポートできるような環境をつくって、それを俺も手伝うということもおっしゃっていただきました。その他いろんなタレントさんや大阪で頑張っていただいているベテランの方から叱咤(しった)激励をうけました。会社としましては、このような本当に素晴らしい芸人タレントさんの思いに応え切れていない事を非常に反省しております。これからその方がたの思いを受け止め、そのような受け止めれる組織を作れるよう実現出来るように思います。

以上のとおり、コンプライアンスの徹底、芸人タレントファーストを進めて、世界中の人に笑顔が届けれるような会社を目指していければと思います。つきましてはこの2つのことに関して、社長として至らなかったことの責任として50%の減俸を1年間続けることと致します。会長の大崎からも申し出があり、同様50%の減俸を1年間することを併せてご報告させていただきます。

加えて、吉本のすてきな芸人さんを応援してくださっている方々、テレビの前で笑いを楽しみにしてくださっている方々、吉本に所属してくれている才能あふれるお笑いを志す人や、アーティスト、スポーツ選手、音楽等、全ての芸人タレント、社員全員は宮迫くんと亮くんの会見を見て、不安を感じたと思います。冒頭に事実経過を説明させていただきましたが、本日は皆さんが疑問に思っている、あるいは不信に思っていらっしゃる、そうしたことにつきまして正直にお話しする機会を頂きたいと思い会見に至りました。