歌手神野美伽(53)が11日、名古屋ブルーノートでライブを行った。

いつもの演歌中心の公演と異なる選曲と演出にこだわるスペシャルな一夜で、今年で5回目。

1曲目は「Stand By Me」を軽快なアレンジで歌唱。続いて「東京ブギウギ」をダイナミックなサウンドと歌唱で披露。「戦後2年でこの歌を歌っていたことがすごいことだと思う。まだまだ餓死する人がいるような時代に『なりふり構わず生きるのよ』というメッセージを伝えたのだと思う。そんな笠置シヅ子さん、そして服部良一さんによる名曲たちの存在は戦後の日本に神様がくれたものだったような気がします。閉塞(へいそく)感がある今の時代にも歌い継いでいきたい」と話した。

続いて「夜のプラットホーム」「湖畔の宿」は静かなアレンジで披露。笠置シヅ子の隠れた名曲「センチメンタルダイナ」も熱唱した。

「平和」をテーマにしたコーナーでは「地球上で戦争を望む人はいないと信じたいですが、どれだけの犠牲を出しても残念ながら戦争は無くならない。平和という言葉を安易に使いたくないが、どうしてもこの時期には考える。一番大事なことは思うこと。忘れないということ。考えないということが一番だめ。私も歌うことでなにか力になれることがないかこれからも考えていきます」とあいさつ。「アメイジンググレース」「リリーマルレーン」「手紙(オリジナル曲)」に平和の祈りを込めた。

ここ数年、米ニューヨークなど海外での活動を続けている影響で、英語圏の外国人客が増えてきた。そして、動画の再生回数が850万回を超えるなど、実際に訪れたことはないが、SNSなどを通じて台湾や香港などの中国語圏のファンも増加してきている。その人気に応える形で中国語で「私のバラード」を初披露した。「自分の音楽が、そして演歌という日本の音楽が他の国でも受け入れられている事がすごくうれしい。今後は中国語も勉強して新しいファンへ届けたい」と意欲を燃やしていた。