18年に日本映画史に残るヒットを記録した「カメラを止めるな!」(上田慎一郎監督)でブレイクした、女優しゅはまはるみ(44)が初主演したオムニバス映画「かぞくあわせ」が7日、初日を迎え、都内の池袋シネマ・ロサで舞台あいさつが行われた。

しゅはまは開場前の準備に加え、舞台あいさつの進行も自ら担当と大ハッスル。壇上で「(舞台あいさつを)私が回すの、初めてかも」と笑った。

しゅはまは、第三話「はなればなれになる前に」(田口敬太監督)で娘役を演じた松沢可苑が、最年少の15歳ながら控室に差し入れを持ってきたと、目を丸くして明かした。しゅはまが「誰よりも大人で、差し入れを持ってきたの。えっ? ってビックリした。しかも、デパートで買った、ちゃんとしたの。ありがとうございます。ありがたく、ちょうだいします」と言うと、松沢は「皆さんで食べてください」と笑みを浮かべた。

「かぞくあわせ」は、17年11月に「カメ止め」のイベント上映が都内で行われた後の時期に、しゅはまとダブル主演の藤田健彦(47)、第一話「左腕サイケデリック」の監督、脚本を担当した長谷川朋史監督が話し合い、始動した映画製作ユニット「ルネシネマ」の、Vol0とも言うべき作品だ。

しゅはまと藤田は、「左腕サイケデリック」で娘が結婚式の最中に脱走してしまった夫婦、第二話「最高のパートナー」(大橋隆行監督)では男女に寄り添い応援する存在を演じた。また「はなればなれになる前に」では、再婚しながら離婚が決まった妻が、離婚する前に結婚式をしたいと夫に希望も、式場には夫の前妻の娘が働いているという、複雑な家族を演じた。

しゅはまは98年に1度、女優業を引退し、02年に活動を再開後、地道に活動を続け、女優人生をかけて出演した「カメ止め」のムーブメントでブレイクした。「ルネシネマ」は“カメ止め前夜”から、ひそかに進めていた企画で、「カメ止め」で女優人生第2章の扉を開けた今、まさに勝負をかけたプロジェクトとなる。

一方、藤田は、舞台を中心に活動。近年は映像にも進出し「八重の桜」「軍師官兵衛」「花燃ゆ」と、12年から3年連続でNHK大河ドラマに出演。映画でも14年「紙の月」(吉田大八監督)、本広克行監督の17年「亜人」、18年「曇天に笑う」と人気作に出演しながら、小さな役が多く、映画の主演は初めて。藤田にとっても勝負企画だ。

しゅはまは「企画段階から俳優が関わってやっていく時代。やりたいものがあれば、作るべきじゃないか。せりふを言うだけじゃなく、企画から考える女優になろう」と、覚悟を決めて臨んでいる。