昨年7月に都内の自宅で、派遣型マッサージ店の女性従業員に乱暴したとして強制性交罪で逮捕された俳優新井浩文(本名・朴慶培)被告(40)の第2回公判が26日、東京地裁(滝岡俊文裁判長)で開かれた。初公判で新井被告は「(当時)同意があったと思っていた」と無罪を主張しており、被告人質問が行われたこの日もあらためて「暴力や脅迫は一切していません」「女性が同意していたと私が誤信していた」と主張した。

新井被告は上下黒のスーツ姿で出廷した。弁護側からの被告人質問の冒頭、初公判時に証人として出廷した女性従業員の証言を聞き「あらためて心底嫌だったんだなと思い、本当に申し訳ないと思いました」と神妙に謝罪した。

一方で、争点となっている「性交の合意があると誤信することはなかったか」「暴行を加えたか」の2つのポイントについては、「受け入れられているのかなと思った」などと述べた上で、「性行為をしてしまったことは私が悪いと思っています。暴力行為、脅迫行為は一切やっておりません」と主張した。

初公判時、女性従業員は合意について「していません。自分から受け入れたことは1回もありません」と証言している。新井被告はこの日の証言で、マッサージ中に女性の手首をつかんで、自らの股間に押し当てた際に女性から「ダメですよ」と言われたが、「ちょっと(手を離すように)引かれたような形になったが、力強くという感じではなかった」などと主張。「口調も柔らかく、言葉は『ダメ』と言いつつ、そう(ダメ)とは捉えられなかった」と話した。

弁護側から誤信した理由を聞かれると「(股間)すれすれのマッサージをしてくれた。服を脱がせる時、抵抗なかった。胸をなめた時、抵抗なかった。ズボンを下げる時、抵抗はなく、陰部を触った時も抵抗なくぬれていた。挿入時も抵抗なく、全て」とした。

一方、素股を要求した際、「腰が浮いていたので、嫌がっているように見えた」とも証言。性交後にマッサージ代とは別に金を渡そうとしたことについて「素股を嫌がっていたり、彼女の方から積極的に何かをしてくれる感じがなく、ちょっとの不安があった。表沙汰の仕事をしているので、人に言ってほしくないと思った」などと話した。

また、女性従業員の被害者参加弁護人から「犯罪に当たる行為をしていないのに、なぜ示談を申し込むのか」と質問を受けると、「今現在、同意がなかったと思っていて。それに対しての謝罪です」とした。新井被告は逮捕後、「被害弁償金」として女性に1000万円、起訴直前に2000万円の支払いを申し出たが拒否されている。

起訴状によると、新井被告は昨年7月1日、東京都世田谷区内の自宅で、マッサージ店の女性従業員に乱暴したとしている。今年2月1日に逮捕・起訴され、同27日に保釈金500万円を納付し保釈されている。

次回公判は10月23日に行われ結審する予定。結審すれば12月2日に判決公判が開かれる。

◆誤信 誤ったことを間違って正しいと信じ込むこと。