松重豊(56)が5日、都内で、初主演映画「ヒキタさん!ご懐妊ですよ」(細川徹監督)の公開記念舞台あいさつに、共演の北川景子(33)浜田岳(31)山中崇(41)伊東四朗(82)らと出席した。

男性不妊に直面し、不妊治療に挑む年の差夫婦の絆を描く。松重は満員の客席に「こんなに見に来ていただけてありがたいです」と感無量の表情。これまで出演作の台本は悪用を防ぐためクランクアップと同時に処分していたが、「この作品に関しては、昨日まで宣伝をしていたのでかばんの中にいつも入れていた。今日終わったら破り捨てるつもりだったけど、棺おけに入れてもらいたい」と愛着を明かし笑った。

北川と年の差夫婦を演じた。松重は出演決定後も心配が消えなかったようで、「この年齢差はどうなんだろうと思ってました」。

妻のサチを演じた北川は「クランクインの前から松重さんが大騒ぎしていると聞いて」と笑いつつ、「何度も共演してどんな人か知っていたので、私は何の不安もなく。年齢差は何も関係ないと思いました」と話した。

二人三脚で妊活に励む夫婦を演じたが、松重は「生々しいシーンがなかったのがよかったのかもしれない。だって二回り違うんですよ?」と続けた。

撮影現場には男性スタッフが多く、松重いわく「監督はじめスタッフ全員が北川さんに気に入られようとしていた」。クランクアップ前日に北川が出演分の撮影を終えてしまうと、現場の空気が一変したといい「スタッフの間に怒号が飛び始めたんです。潤滑剤がなくなった途端にうまくいかなくなった」と苦笑した。「最後までいい雰囲気で終わったと思ってました」と事情を知らない北川が驚くと、松重は「私は“サチロス”って言ってました。男連中だけになるとこんなに殺伐とするんだ」と振り返った。