今月24日に亡くなっていたことが分かった女優八千草薫さん(享年88)について山田洋次監督(88)が28日、第32回東京国際映画祭のオープニング上映の舞台あいさつで「僕たちの世代の日本人にとって、若い時からあこがれの人でした」と話した。

八千草さんは、山田監督が手掛ける「男はつらいよ」シリーズの10作目「-寅次郎夢枕」(72年)に、寅さんの幼なじみ、マドンナとして出演している。

八千草さんの訃報は、舞台あいさつ数時間前に発表された。山田監督は「聞いたばかりでとても驚いています」。

同映画祭オープニングで上映された50作目の新作「男はつらいよ お帰り 寅さん」には、八千草さんの出演シーンも使われている。山田監督は「皆さんがこれから見ていただく映画の中に、ちゃんと47年前のとっても美しいクローズアップが入っています。そのクローズアップを通して、八千草さんにお別れをしてください」と話した。

倍賞千恵子(78)は、共演時を振り返り「先ほど聞いてびっくりしてます。とても残念に思いますけど、とても優しい方でした」と話した。

舞台あいさつにはほかに、吉岡秀隆、後藤久美子、前田吟、夏木マリ、浅丘ルリ子が出席。