12月8日にカンテレなんでもアリーナ(大阪市北区)で開催されるカンテレアナウンサー12人による朗読イベント「アナウンサー朗読会」の模様が同25日、午前4時29分から放送されることが決まった。

初演から18年目を迎える今回のテーマは「おはなしの暖炉」。寒い冬に心温まる話を各アナウンサーが朗読する。

作家・演出家・女優で活躍するわかぎゑふが演出を手がける。入社4年目の竹上萌奈アナウンサー(27)が初めて書いたオリジナル戯曲が上演される。子どものころから読書好きだったといい、祖父母をモデルにしたストーリーを約2カ月かけて執筆した。竹上の第1作となる「まんまるな君」は、認知症を患った妻を、優しく見守る夫の目線で書かれた老夫婦の物語。短い文節はリズムがよく、わかぎからは「萌奈ちゃんの、これいいやん!」と、即採用が決定した。

「まんまるな君」は人物設定や作品中のエピソードは事実に基づいて描かれているが、認知症になったのは、実際は祖父のだったという。竹上は「祖母が明るく一生懸命に認知症の夫を介護する姿を見て、この作品を書いてみようと思いました。でも、実際の介護は大変だったので、そのまま書くとルポルタージュのようになってしまいます。今回は、物語として温かい出口にしたいと思ったので、フィクションを加えました。祖母を見て、人は何歳まで恋をしていられるのだろうという思いもありました」と語った。

朗読会の配役は、妻を谷元星奈アナ(23)、夫を林弘典アナ(42)が演じる。竹上は「改めて自分の家族、好きな人など、大切な人がそばにいるありがたさを感じていただけたら」と思いを語った。

朗読会では、ショートショートの名手と呼ばれるオー・ヘンリー作「賢者の贈り物」、わかぎゑふオリジナル戯曲「ビバ・マリア」などが上演される。