俳優佐藤浩市(59)、渡辺謙(60)が4日、東京・千代田区の外国特派員協会で会見を行い、映画「Fukushima50(フクシマフィフティ)」(若松節朗監督、3月6日公開)について語った。

東日本大震災時の福島第一原発事故で奮闘した作業員たちの奮闘を描く。渡辺は「社会情勢がこうなっている中、国難の岐路に立たされた時に何に向かっていくかのヒントになる作品」。佐藤は「風化させてはいけないことを見直すためにギリギリのタイミング」と話した。

映画「許されざる者」(12年)で共演した2人は、お互いへのリスペクトも語った。佐藤は「歳もほぼ一緒で、40年くらい仕事をしてきた者として信頼関係がある」と力強く語り「こう言うと薄っぺらいね」と照れ笑いした。

渡辺は「『許されざる者』でハードな共演をともにしてきた。『佐藤浩市君の100本目の映画の時には通行人の役でも出るよ』と言っていたのだが、あっという間に100本を超えていた」と笑い、きずなの強さを語った。役を引き受けたのも、佐藤の出演が決め手になったとし「一にも二にもなく、自分が出演するべきと思った。信頼に値する素晴らしい俳優」とした。

映画は世界73カ国での配給が決まっている。世界に向けて、渡辺は「ヒロシマ、ナガサキというワードが今では核兵器について考えるポジティブなワードになっている。フクシマというワードも、少しでも原子力をどうとらえていけばいいのかポジティブなワードで広がってくれることを願っています」。佐藤は「災害は負の遺産でしかないが、次の世代の遺産に変えることができる。映画を見てそう感じていただけたら」と話した。