ヘンリー王子が偽電話の被害者となり、英王室離脱に関する本音や、トランプ大統領や叔父のアンドリュー王子についての見解までしゃべったという。

電話の相手は、著名人たちへの偽電話で知られるロシア人「ボバンとレクサス」の2人組。これまで、英歌手エルトン・ジョンやフランスのマクロン大統領らも被害に遭っている。

英サン紙などによると、2人組は昨年のおおみそかと今年1月22日の2回にわたり、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさん(17)とその父親スバンテさんを装い、ヘンリー王子に偽電話。その電話の音声が、ユーチューブでリークされた。

同紙の報道によると、偽電話とは気づかなかった王子は王室離脱について、「時に、正しい決断は容易なものではないが、これは家族にとって正しい決断だった。世界中の多くの人々が理解し、尊重してくれるはず。複雑な決断だったが、私たちは新しい生活をスタートする」と語ったという。

さらに王室の中心メンバーでいること、特に妻メーガン妃のように民間から嫁いだ者にとってどんなものかについても示唆。「王子や王女との結婚は、世間の認識とは全く違うということは断言できる。多くのさまざまな要素が重なり、非常に複雑です」と語った。 

「王室の生活よりも、普通の生活の方がいいのか?」と聞かれた王子は笑いながら、「いや、はるかにいい。私は軍隊に10年もいたので、他の家族が思っているよりも、はるかに普通なんですよ」と本音を明かしたという。

王子はまた、地球の温暖化についても言及し、トランプ大統領が炭鉱業界をサポートしていることを批判。「彼の手は血で汚れている」とした上で、「トランプ氏が大統領になれるなら、全てが可能だ」と冗談交じりに語ったという。

未成年者との性的スキャンダルで、王室の中心メンバーから退いた叔父のアンドリュー王子については、「彼が何をしようと、私たち夫婦とは関係ない。私たちは包括的に行動し、地域にフォーカスしているので、家族のほとんどのメンバーとは完全に離れている」とも語ったという。ヘンリー王子は現時点で、偽電話について否定も肯定もしていない。(ニューヨーク=鹿目直子)