英歌手エルトン・ジョン(73)が29日、新型コロナウイルスとの闘いの最前線で働く人たちを支援する慈善コンサートを主催し、米FOXテレビとラジオ局ハイハートで放送された。「リビングルーム・コンサート・フォー・アメリカ」と題されたコンサートは、そのタイトル通りにアーティストたちが自主隔離中の自宅から出演し、ライブパフォーマンスを行った。ジョンを始め、マライア・キャリー、レディー・ガガ、ビリー・アイリッシュ、バックストリート・ボーイズ、リゾ、デミ・ローバら豪華アーティストがアットホームな雰囲気の中でそれぞれが歌やメッセージを披露し、感染拡大のために尽力する人々への感謝を伝え、支援を呼び掛けた。

番組では企業やファンに寄付を呼びかけ、100万ドルを超える寄付金が集まったという。寄付金は感染拡大の影響で経済的に困窮する家庭を支援するフィーディング・アメリカや子供を支援する慈善団体に寄付される。1992年にHIVに関するエイズ支援基金「エルトン・ジョン・エイズ基金」を設立しているジョンは、「このパンデミックスを真剣に受け止めることがとても大切。そんなに遠くない昔、ある伝染病が無視されたことがあった。私たちは何もしなかったから、日を追うごとに悪化し、何百万人もの人がエイズの危機にさらされた。だから今回、同じようなことが起きるのを許してはいけない。愛する人たちのために自宅にとどまりましょう」と視聴者に外出自粛を呼びかけた。(ロサンゼルス=千歳香奈子)