シンガーソングライター山下達郎(67)が12日、3人編成で行うアコースティック・ライヴツアーの大阪、広島、新潟公演を中止することを、パーソナリティーを務めるTOKYO FM「サンデーソングブック」(日曜午後2時)内で発表した。

中止が決まったのは5月2、3日の大阪CLUB QUATTRO、6月6、7日の広島 CLUB QUATTRO、7月4、5日の新潟LOTSの3都市6公演。「ライブを楽しみにしていただいた方には申し訳なく、お詫び申し上げますが、少なくとも7月ごろまではまだお客さまに安心してライブを楽しんでもらえる状況にならないだろうという判断」と理解を求めた。その上で、「延期日程をいつ頃に設定すればいいか、いつごろなら安心してライブを行えるか、まだ誰にも分からない状況ですので、延期の準備はしておりません。一応、中止とさせて頂きました。けどできれば、どこかで代わりにやれればと思っております」と再公演には含みを持たせた。

これまでに2月の東京公演(高円寺Live Music JIROKICHI)は9月に延期され、4月の名古屋公演はすでに中止となっている。9月予定の宮城、10月の福岡、11月の東京公演は「適切な時期に判断してお知らせする」とした。

 

また、すでに発表されている、4月に開催予定だった妻・竹内まりやのライブを11月に延期することも報告した。

 

山下はさらに、この日の放送分から通常のTOKYO FMのスタジオではなく、自宅でのテレワークで収録を行うことも報告。同番組はもともと、山下が所有する豊富なレコードコレクションなどからの選曲のため「選曲は100%私が受け持っております。作業工程はあまり変わらない。私の番組は家内制手工業なのでそういうことができます」と、ダメージは受けずに済むことをアピールし、リスナーには「27年半はがきオンリーでやってまいったんですけど、テレワーク方式の間はスタジオではがきがチェックできなくなりますため、、ぜひともメールでのお便りとリクエストをお願いできればと存じます」と呼びかけた。

 

冒頭では非常事態宣言が出された社会情勢について「不安のない方など1人もおりません。怒りのない方だって1人もおられないと思います。みんなジリジリした気持ちです。それを口にしたい衝動を抱えています。政治のふがいなさ、不明確さ、いつものごとく官僚の責任意識の曖昧さ、行政の拙速さ、企業の保身、メディアの的外れ…エトセトラエトセトラ。私だって思いっきり怒鳴りたい気持ちはある」としながら、「そんなことをしてもウイルスがなくなるわけではありません」と話し、「今一番必要なのは政治的対立を乗り越えた団結。こんな時こそ冷静さと寛容さが最も大切。正確な判断は冷静さからしか生まれません」などと訴えた。