26日の朝日新聞「朝日歌壇」に、新型コロナウイルスによる肺炎のため、70歳で急死した志村けんさんを悼む歌が6首も入選した。

著名人が亡くなると、歌に詠む人は多いが、ここまで多いのは異例だ。

選者の高野公彦さん(78)は「志村さんが老若男女に愛された特別な存在であったことに加え、そのキャラクターと新型コロナウイルスの恐ろしさの落差だと思います。ここまで多いのはちょっと記憶にありません」と話している。

入選したのは「最後までコントか本当か分からない手品のように消えたおじさん」「彼こそは『変なおじさん』そのもので志村けんさんコロナに死する」「学祭で娘が扮ししバカ殿は語り草です さよなら志村さん」「金ダライすいか早食いヒゲダンス今こそ欲しい茶の間の笑い」「辛い時あんなに笑はせてくれた父も志村けんも居ないこれから」。「最後まで-」は馬場あき子、永田和宏両氏が選んだ。

高野さんによると、著名人が亡くなると、数通の投稿(はがき1枚1作品)があるが、今回は3000~4000通のうち40~50通は志村さんを詠んでいたという。【中嶋文明】