新型コロナウイルスによる肺炎で入院後、退院し自宅療養中のフリーアナウンサー赤江珠緒(45)が12日夜、TBSラジオで放送された「荻上チキ・Session-22」(月~金曜午後10時)にメールを寄せた。その中で、自らが投与された「アビガン」の副作用について、誤解があるとつづった。

赤江は「『一度服用したら、一生催奇形性(胎児に奇形が起こる危険性)のリスクがある。』というように、これから子供を作ろうとする若者には、使用できない。というイメージが世の中に割と広がっていますが」とアビガンの副作用に対する、世の中の評判を紹介。その上で「製薬会社によると、アビガンは、薬を飲んだ後、1週間は性交渉を避けましょう。という薬です。副作用の事も考えて、妊婦さんは服用できない薬ですが、それ以外の方は、投薬ですので当然、数週間で女性も男性も薬は体から徐々に抜けていくそうです」と説明した。そして「私自身も誤解していましたが、『さすがに、一生催奇性になるようなものだったら、そもそも新型インフルエンザで認可がおりないですよ。』と先生はおっしゃっていました」と医師の言葉を紹介した。

その上で「薬というものの有効性の確認には、十分な臨床試験や治験が必要です。今回は特例で5月中の承認を目指すという話も出てきてはいるようですが、通常通りですと1年、もしくはもっと長い日数待たなければなりません」と、特例承認を目指す現状を紹介。「しかし、患者の本音としては、船が沈むような時、この救命道具は100%安全とは言い切れないので、使用を認めていませんと言われても、そこは使わせて! というのが心情でした」と、承認されていない薬ではあっても、患者としてわらにもすがりたい思いであったことを強調した。

赤江は「世の中の病はコロナだけではありません。コロナ以外の病に向き合える臨床医や看護スタッフが減ってしまうのを避けなければ、他の原因で亡くなる方が増え医療崩壊が起きかねないという事だそうです」と、コロナ禍が医療現場に負担をかけ、崩壊の可能性があるという医療現場で戦う医師の声を紹介。その上で「したがって、コロナに関しては、なるべく悪化する前に適正な治療を届ける事が肝要ではないかとおっしゃっていました。社会生活を元に戻す出口戦略を探るうえでも、感染者数だけではなく、重篤者数がポイントになってくるのではと思います」と重篤者数を重視すべきとの考えを示した。そして「コロナが怖く、厄介な病なのは確かです。しかし、病は、多かれ少なかれ怖いもの。闘い方がない訳ではないという事を、今回身をもって教えていただいた気がしました」とつづった。

赤江は4月16日の同番組で、テレビ朝日系報道番組「報道ステーション」で総合演出を担当している夫の感染を公表。同18日には組公式サイトを通じて、PCR検査の結果、自身も陽性の結果が出たこと、15日から発症して自宅で療養中であることも公表した。その後、医師の勧めでエックス線と血液の検査を受けた結果、肺炎と診断され、発症11日目の4月25日に入院していた。

赤江は、パーソナリティーを務める「赤江珠緒たまむすび」(月~木曜午後1時)で自らの病状を報告してきた。今回、1日夜にアビガンの投与を報告したことに続き、同番組にメッセージを寄せた理由として「自分の番組の『たまむすび』で発信したら? というお叱りもあるかとは思いますが、なにぶん、あそこは呑気なスタイルの、お昼のトークバラエティ番組ですので普段から新型コロナについて深く議論している、チキさんたちを頼りに致しました」(コメントは原文のまま)と説明した。