行定勲監督(51)が16日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、完全リモートで製作する映画第2弾として「いまだったら言える気がする」を製作し、17日午後3時からYouTubeで配信すると発表した。俳優中井貴一(58)、NHK連続テレビ小説「エール」に出演中の二階堂ふみ(25)、“楽器を持たないパンクバンド”と知られるBiSHのメンバー・アイナ・ジ・エンドの出演が決まった。

行定監督は、政府が4月7日に7都府県に緊急事態宣言を発令し、同16日に全国に拡大したことで映画館の多くが休業に追い込まれる中、「落ち込んでも何も生み出せない。困難な状況だからこそ作品作りを諦めてはならない。エンターテインメントの力で社会に勇気と希望を示したい」と決意。制作会社ROBOTとタッグを組み、約45分の短編映画「きょうのできごと a day in the home」を企画。立ち上げから2週間弱という異例の早さで撮影、製作し、4月24日にYouTubeで公開した。再生回数は16日現在、27万5000回に上っている。

「きょうのできごと-」は、行定監督が「我々、映画人には何か出来ることがあるのではないか」と映画業界に訴えかけた声に賛同した、柄本佑(33)高良健吾(32)永山絢斗(31)2人組ラップユニットMOROHAのアフロ(32)浅香航大(27)有村架純(27)が出演を快諾した。第2弾の「いまだったら言える気がする」も、同監督の声がけに中井、二階堂、アイナやスタッフたちが賛同し、ボランティアで製作に協力した。脚本は「きょうのできごと-」に続き、行定監督と、同監督の04年「世界の中心で、愛をさけぶ」でも組んだ脚本家の伊藤ちひろ氏が担当する。

行定監督は製作にあたり、コメントを発表した。

「第1弾の『きょうのできごと a day in the home』は現在約27万回視聴され、たくさんの方々に観ていただき感謝しています。そこで、もう少しの間、外出自粛を続ける皆様に、新作をお届けしたいと思います。今回のキャストには、中井貴一さん、二階堂ふみさん、BiSHのアイナ・ジ・エンドさんが参加してくださいます。この今しか出来ない異色の組み合わせを楽しんでいただけたら嬉しいです」(コメントは原文のまま)

一連のプロジェクトでは、行定監督がディレクターを務める「くまもと復興映画祭」とも連携。同映画祭は、新型コロナウイルスの影響で22日から24日を仮スケジュールとして開催に向け準備を進めていたが、開催日程が再延期され、未定となっている。その中、4日から31日まで、YouTubeでは「きょうのできごと a day in the home」に加え、同映画祭の過去の対談の動画なども順次、配信している。

中井は16年に熊本県菊池市で開催された、くまもと復興映画祭の前身の「菊池映画祭2016」で「特集・中井貴一」が開催され、同映画祭で行定監督と対談するなど親交が深い。また二階堂は、同監督の18年「リバーズ・エッジ」に主演している。