今年の米アカデミー賞で外国語作品として初の作品賞に輝いた韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(ポン・ジュノ監督)が、モノクロバージョンで公開されることが20日、発表された。ほかに、画質、音質も現在の最高水準で上映するIMAXバージョンでも公開する。

ポン・ジュノ監督は「同じ映画がモノクロになることで、鑑賞体験がどれだけ変わるものか、おもしろく感じていただけると思います」と話した。

製作の理由について、黒沢明、ジャン・ルノワール、ジョン・フォード、アルフレド・ヒチコックら名監督の名前を挙げ「偉大な監督たちのフィルモグラフィーには、モノクロ映画の時代とカラー映画の時代とがあります。自分もクラシックの仲間入りをしてみたいという夢を、最新のデジタル技術のおかげで実現することができました」と語った。

同監督はモノクロバージョンを2回見ているとし「はじめは寓話(ぐうわ)のように感じられ、昔の物語を見ているかのような不思議な感覚になりました。2度目は、映画がより現実的で鋭く感じられ、刃物で切りつけられるかのようでした。俳優たちの演技がさらに際立ち、より登場人物を中心に映画が展開しているようにも思えました。みなさんが、カラー版の鑑賞体験と比較し、ご自身の『パラサイト』モノクロ版の鑑賞方法を見つけてくれたらうれしいです」とメッセージを寄せた。

公開日は調整中。現在、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、休館している劇場も多く、再開後の上映を目指している。

「パラサイト-」は米アカデミー賞で、作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞を受賞。日本では興収45・5億円を突破した。