19日に始まったドラマ「半沢直樹」で歌舞伎俳優が活躍している。前作でも、香川照之こと市川中車、片岡愛之助が登場していたけれど、今回は2人に加えて、中車のいとこの市川猿之助、そして尾上松也が出演するなど、「歌舞伎度」がぐーんと高くなっている。

「半沢直樹」は勧善懲悪の色が濃いドラマで、善人役と悪人役の線引きもきっちりしているが、悪人役には歌舞伎俳優が似合っている。中車は前作放送の1年前の12年に9代目市川中車を襲名して、47歳にして歌舞伎界入りしたけれど、伝説ともなった「土下座」場面は、歌舞伎俳優だからできたかもしれない。猿之助もいとこに負けじと、迫力ある「顔芸」全開で、悪人役を楽しんでいるように見える。

頭取役の北大路欣也も歌舞伎の流れをくんでいて、父市川右太衛門はもともと歌舞伎俳優だった。副頭取役の古田新太は劇団新感線の所属だけれど、座付き演出家のいのうえひでのりが歌舞伎風に演出する「いのうえ歌舞伎」の常連でもある。今後の展開で、北大路、古田がどんな「顔芸」を見せてくれるのか、それも楽しみである。