独創的な作品をアジアを中心とした世界から集めた国際映画祭「東京フィルメックス」を運営する、NPO法人東京フィルメックスは6日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、21回目となる今年は例年より開催時期を2週間早め、10月30日から11月5日まで都内で開催すると発表した。

新しい国際映画祭の開催を目指して、2000年(平12)からスタートした東京フィルメックスだが、開催時期を前倒ししたため、10月31日から11月9日まで開催予定の、第33回東京国際映画祭と開催時期が重なることとなった。会場も都内のTOHOシネマズシャンテとヒューマントラストシネマ有楽町(レイト会場)有楽町朝日ホール(オープニング会場)に変更となった。

市山尚三ディレクターは「第21回東京フィルメックスを第33回東京国際映画祭とほぼ同時期に開催する運びとなりました。東京国際映画祭の安藤裕康チェアマンと久松猛朗フェスティバル・ディレクターのもと、東京国際映画祭は大きな変革を目指しているとうかがい、『カンヌ映画祭の大きな枠組みの中で独立性をもって開催されるカンヌ監督週間のような連携を』というご提案に深く共感いたしました」と説明した。

世界3大映画祭の1つ、カンヌ映画祭(フランス)は、最高賞パルムドールを競うコンペティション部門や、ある視点部門、学生部門のシネフォンダシオンなど正賞に絡む部門をはじめ、多くはカンヌ映画祭事務局が主催している。一方、映画祭期間中には、作家性の高い監督を紹介するフランス監督協会主催の監督週間や、フランス映画批評家組合主催の批評家週間といった、それぞれ独立した運営により作品選定が行われる事業が同時開催されており、それらを大きな枠組みの中で包括して、カンヌ映画祭と呼んでいるのが実情だ。

市山ディレクターは「東京国際映画祭も掲げておられる『映画界の連携強化』の理念は、多様なメディアが存在する現在だからこそ、情報発信の面からも相乗効果が期待できると考えています」とした。その上で「世界中が災厄に見舞われている今年、21回目の開催となる東京フィルメックスは変化を経て10月30日からの開催を目指します」と強調した。