スターダストレビューが東京・日比谷野外音楽堂で開催したライブ「こんなご時世、バラードでこざーる」を現場取材した。

新型コロナウイルスが猛威を振るいはじめた4月以降、ライブの現場取材は一切無くなった。そのため、個人的にも久しぶりのライブ現場取材となった。結論から言えば、やはりライブはその場の空気感やあの音圧があってこそということを改めて実感した。

スタレビは今年7月、40周年記念アルバム「年中模索」をリリース。同アルバム発売前に根本要(63)をインタビューした。その際、このライブのことを聞いた。「僕らはライブバンド。ライブはお客さんとのコール&レスポンスで作るものだと思っている。東京都がガイドラインを出してくれたので、それに沿った形でやろうと思っています」。そう話す根本の目が少年のように輝いていたのが印象的だった。

同ライブはスタレビにとっても約半年ぶりのライブ。冒頭3曲続けて演奏後のMCで「歌いながら声に詰まるところがあって…」と明かし、「まあ、年をとって涙もろくなったってことです」と感慨深げに話したのが印象的だった。

根本は同ライブで、歓声を上げられない観客にコールに対して手を上げて応える「コール&ノーレスポンス」を提唱。実際にやると「ぎょっとするね!」と冗談っぽく笑ったが、それでも“ライブ”が出来る喜びをかみしめていたかのように見えた。

スタレビのツアーも、年内開催分はすでに延期が発表されている。今回は野外だから出来たのかも知れない。まだまだ“ライブ”が出来る状況ではないかもしれないが、その状況下でライブを行ったこと自体に、スタレビのライブに対する強い思いを感じた。【川田和博】