吉永小百合(75)が11日、都内の東映東京撮影所で行われた主演映画「いのちの停車場」(成島出監督、21年公開)撮影現場会見で、大麻取締法違反容疑(所持)で8日に逮捕された伊勢谷友介容疑者(44)に対し「事実が、ちょっと分からない部分はあるんですけども、何とかこういうことを乗り越えて、また撮影の現場に帰ってきてほしいと今、思っています」と、思いを切々と訴えた。

吉永は劇中で、大学病院の救命救急医だったが、とある事情で石川県の実家へ戻り、在宅医療を行う「まほろば診療所」に勤務し、患者と向き合う医師・白石咲和子を演じる。質疑応答で伊勢谷容疑者について聞かれると、同容疑者が初共演であること、演じた役どころが、脊髄損傷で四肢がまひしたIT企業の若き社長江ノ原一誠役であることに触れた。

「伊勢谷さんとは初共演なんですけれども、今回、伊勢谷さんの役は、脊髄損傷で体の自由が利かなくなって、何とか在宅医の咲和子にサポートして自分をよみがえらせてほしいというふうに頼むんですね。2人で対峙(たいじ)して、セリフの応酬が結構、しっかりしたシーンになっていまして。撮影3日目にやりました」

その上で、吉永はクランクインから3日目の6日に、伊勢谷と共演した当事を振り返り「伊勢谷さんとやって、良いシーンが撮れた。お互いに思いや、いろいろなものをぶつけられて、多分、きちんと撮れているんじゃないかと思っています」と共演シーンへの自信を口にした。その上で「ですから、今回のことを報道で知って…とても残念な思いでいます」と。口惜しそうに語った。

会見の冒頭では、東映の手塚治社長(60)が、同容疑者の出演シーンをカットすることなく、映画を完成させて公開することを明らかにした。