Kis-My-Ft2が3日、東京ドームで、無観客生配信ライブを開催した。同所史上初の無観客ライブ。メンバーたちの強い希望で実現した。アンコールで屋外に飛び出すなど、新たな試みに次々と挑戦。最善の方法を探りつつ、前向きに、柔軟に、時代に合わせた道を開拓している。

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ライブ冒頭、北山宏光(35)は「皆さん、お待たせしました。生配信、つながっているので! 楽しんで行こう!」と呼び掛け、藤ケ谷太輔(33)は「最後までついて来てください!」と叫んだ。普段のライブではファンでいっぱいのアリーナやスタンドは、どこも空席。それでも、普段の倍の数が配置されたというカメラの向こう側に、精いっぱいアピールした。

今年5月から3年連続3度目の5大ドームツアーを開催予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大を受けて全公演が中止となっていた。昨年5月には、元号が令和に変わって初の東京ドーム公演を行っており、同所には縁がある。横尾渉(34)は「配信ライブを実現させてくださった方々に感謝です」とかみしめた。

配信ならではの演出も多数加わった。後半の「種」では、事前に投稿されたファンの歌唱動画がモニターに映し出され、メンバーたちが一緒に合唱した。宮田俊哉(32)は「みんなと一緒に歌っている気持ちになるよね」と笑顔で喜んだ。

さらにアンコールでは、隣接する東京ドームホテルの屋上に移動。43階建て、高さ155メートルの絶景を望みながら、最新シングル「ENDLESS SUMMER」などを歌唱。同所史上初というライブパフォーマンスを披露した。

屋外に出るのは北山のアイデア。打ち合わせで「せっかく配信なんだから、外に出ちゃおうぜ!」と提案した。「普段のいろんな概念がなくなるので、配信ならではの面白いことがしたかったんです」と笑った。エンターテインメント業界はコロナ禍でまだまだ厳しい状況が続くが、北山は「新しい楽しみを探していける、柔軟なグループでありたい。エンタメに関わる皆さんを元気づけられれば!」と言葉に力を込めた。【横山慧】

○…東京ドームホテル屋上への移動は、時間との勝負だ。宮田は「全力疾走です。屋上についたら、もう足がパンパンです」と明かした。アンコール用の映像が流れている時間を利用し、ドームの楽屋裏から自転車で狭い裏通路を移動。ホテルのエレベーターに乗り、最上階からさらに階段で屋上に到着。宮田は「ライブ中にみんなと一緒に夜景を見るなんて初めてじゃない?」とはしゃいでいた。