乃木坂46白石麻衣(28)の卒業ライブが28日、生配信形式で開催された。国民的アイドルグループをけん引してきた絶対的エース。男女のファンから広く愛される「坂道シリーズ」の礎を築き上げたレジェンドだ。同期や後輩と、思い思いのパフォーマンスを披露し、9年2カ月のアイドル活動にピリオドを打った。

序盤のMCで、「ステージに立って、音楽がかかったら、初めて卒業を実感してきちゃいました。寂しさもあるけど、1曲1曲かみしめながらパフォーマンスしていきたいです」と意気込んだ。しばらく笑顔を見せていたが、同期の星野みなみ(22)が「まいやん(白石)はお姉ちゃんのような存在だし、憧れのような存在だから…もう、寂しい」と涙すると、もらい泣きしそうになった白石も、上を向いて瞳をうるませた。

さらに、1期生楽曲「失いたくないから」の途中では、生田絵梨花(23)からメッセージを受けた。

「まいやん、まいやん…。ついにみんなで見届けなければいけない日が来てしまいました。9年間ずっと一緒にいたから、すっごい寂しいなって思うんだけど、やっとまいやんを見送れるんだ、といううれしさもあるかな」

生田が声を詰まらせると、白石もこらえ切れなかった。「ファンの皆さんに直接まいやんを送ってほしかったという思いもあるけど、私たちがその分支えるから。今までも、これからもずっと、まいやん、大好きです!」と言われ、「ありがとう」と答えると、涙が止まらなかった。「ティッシュいただいてよろしいですか」とスタッフに伝え、舞台裏まで走っていく一幕もあった。

白石は今年1月にグループからの卒業を発表したが、5月に東京ドームで開催予定だった卒業ライブがコロナ禍で中止に。卒業が延期となり、ライブが配信形式となった。視聴チケットは国内で21万9000、海外で1万、累計22万9000売れた。推定視聴者数は68万7000人という。

終盤の「サヨナラの意味」では、4期生から3期生、2期生と順に、2人ずつ白石の両脇に立って、身を寄せた。途中で再び涙腺が崩壊し、涙があふれた。アンコールではファンやメンバー、スタッフに感謝し、「乃木坂に入ってよかった。『やっぱり乃木坂って最高だなっ!』、そう今日までの9年間で思いました」とスピーチ。涙目でソロ曲「じゃあね」を歌った。

「本当に楽しかったし、本当に幸せだった。こんなに幸せでいいのかな、って思えた9年間でした」と感謝し、ライブを締めくくった。終演後は、メンバー1人1人と別れを告げ、抱き合って涙した。さらに1期生9人で2階建てバスに乗り、「聖地」の神宮球場まで夜空の下でドライブ。「最強の8人だよ」とグループに残る同期を激励した。