千葉県館山市は10日、ZOZO創業者でスタートトゥデイ社長の前澤友作氏(45)に、19年の房総半島台風で甚大な被害を受けた同市の復興支援のため同9月に1000万円の寄付を受けた件と、観光振興に関する事業への活用を目的として同12月にふるさと納税された20億円の寄付について、2つの紺綬褒章を授与したと発表した。

紺綬褒章は、公益のために国や地方公共団体、認定公益団体に500万円以上の私財を寄付した個人や団体に天皇から授与されるもの。館山市は、千葉県を通じて国に紺綬褒章の内申をしていたが、このほど褒状、銀飾版、木杯などが館山市に届いたため9日に金丸謙一市長が東京・赤坂のスタートトゥデイ社を訪問し、2つの紺綬褒章を前澤友作氏に伝達した。

金丸市長は「昨年は台風などでの被災に対する復興支援金とともに、年末には20億円という前代未聞の巨額のふるさと納税をいただき、市民とともに心より感謝しております」と前澤氏に感謝した。その上で「いまだ復興途中でありコロナ禍の最中ではありますが、市独自の緊急経済対策や将来のまちづくりのためなどに有効に活用させていただいています。前澤さんのますますのご活躍をお祈りいたします」と、感謝の言葉とともに褒章を手渡した。

前澤氏は、19年にふるさと納税した寄付金20億円で「前澤友作館山応援基金」を設立している。褒章を受け取り「このような栄誉ある褒章をいただき、大変光栄です。今後も前澤友作館山応援基金をはじめ、館山のためにできることがあればご協力していきたいです」と語った。

前澤氏は9月10日にも、千葉県南房総市から19年の台風で甚大な被害を受けた同市の復興支援のため、多額の義援金を寄付したことを受けて紺綬褒章を受けている。同市は、19年9月30日に前澤氏から災害義援金として多額の寄付を受けており、3月に森田健作千葉県知事を通じて国に対して褒章の授与の内申を行い、8月1日に前澤氏に褒章と章記が発令された。

前澤氏は故郷の千葉県に愛着があり、19年に台風が房総半島を相次いで直撃した後は、被災地を繰り返し訪問。南房総市役所にも被災直後、何度も激励のために訪問し、ボランティア活動をするなど物心ともに支援してきた。

前澤氏の紺綬褒章受章は、館山市の2件を加え4回目となる。