テレビ朝日系で1999年(平11)10月21日に放送がスタートした、沢口靖子(55)主演の連続ドラマ「科捜研の女」(木曜午後8時)の映画化が決定した。

17日に同系で放送された「-season20 最終回2時間スペシャル」のラストで、沢口演じる京都府警科学捜査研究所の法医研究員・榊マリコの口から発表された。放送開始から21年で初の映画化となる。「科捜研の女-劇場版-」と題し、21年に公開する。

沢口は、映画化が決定し「シリーズが始まった時は、20年も続けられるなんて、そして、まさか映画化される日が来るなんて、全く予想していませんでした。本当に夢のようです。こんなにも愛される作品となったのは、応援していただいている皆様のおかげだと、感謝しています」と感激した。

2004年に放送されたシーズン5から登場し、マリコと長年バディを組む、京都府警の土門薫刑事を演じる内藤剛志(65)も、映画化決定を喜んでいる。「映画を見る楽しさって、映画館へ行ってみんなで笑ったり、手をたたいたり応援したりすることだと思っています。それは『科捜研の女』では今までなかったことなので、僕ら自身も楽しみにしています」と期待で胸を膨らませた。

映画の全容は、現時点では明らかにされていないが、脚本はシリーズのメインライターの1人で、21年公開の「名探偵コナン 緋色の弾丸」をはじめ、劇場版名探偵コナンシリーズ5作の脚本を担当する、櫻井武晴氏が担当。09年からドラマシリーズの監督を務め、「相棒」「特捜9」「刑事7人」など数々の刑事ドラマでも活躍する、兼崎涼介監督がメガホンを取る。

兼崎監督は「(東映)京都撮影所演出部所属が決定した際、初めて見学した現場が『科捜研の女』でした。『見てるくらいなら手伝え!』と言われ、助監督としてのキャリアをスタートした私が、20年の時を経て、監督として『劇場版』を演出。想像をすらした事のない未来がやってきました」と大役への並々ならぬ思いを語った。その上で「さまざまな科学”をモチーフとして人間ドラマを構築していく『科捜研の女』の魅力を、映画化により、さらに掘り下げていける! しかもマリコたちと一緒に。それは映像的なことでもあり、物語的なことでもあり。これまで以上に大胆でドラマチックな『科捜研の女』を作りあげていく未来…想像すると楽しみでしかありません」と映画について踏み込んで語った。

沢口は「いつもの『科捜研の女』が映画ならではのスケールで描かれながら、いい形で化学反応を起こし、ダイナミックな作品となります。マリコはこれまで通り、相変わらず真相解明のために向こう見ずだけれども、愛すべきキャラクターのままですが、最期の決断に注目していただきたいです!」と期待した。

内藤は「今までにないストーリーが展開されるので脚本を読んでワクワクしました。テレビシリーズ20年の中で起こりえなかったような、とんでもない目にマリコが遭います! そして皆さんが必ず驚く仕掛けがあります! そして、僕が演じる土門に関して言うなれば、映画の方が少し自由度が高いと思っているので、何割り増しかワイルドです」と笑みを浮かべた。

今年でシーズン20を迎え、現行の連続ドラマの中では最多シーズン数を更新し続けている。ドラマ放送開始20周年に加え、テレビ朝日開局60周年の節目だった19年は、4月から翌20年3月までの1年間のロングラン放送にチャレンジし、最高視聴率14・1%(『-season19』第3話)、全話平均視聴率11・6%という高視聴率をたたき出した。そうした結果を受けての満を持しての映画化だ。

沢口は「『科捜研の女』の、長年のファンの方にはもちろんのこと、一度もご覧になったことのない方にも、ぜひ劇場に見に来ていただきたい、20年間の集大成として取り組んだ自信作です! キャスト、スタッフ一同、1カット1カットに熱い意気込みをかけて撮影していますので、ご期待ください。ぜひ、劇場でお会いしましょう!」と呼び掛けた。

内藤は「20年間、応援してくださった皆様への感謝を込めて演じるとともに、スタッフも俳優も『テレビシリーズとはどこか違う何かを見せたい』と思って取り組んでいます。『見たことがないぞ!』や『『科捜研』を初めて見るぞ』という方にもぜひ、ご覧いただきたいと思っています」と自信を見せた。