「5万回斬られた男」の異名を持つ俳優の福本清三(ふくもと・せいぞう)さん(本名橋本清三=はしもと・せいぞう)が1日午後5時26分、肺がんのため京都市内の自宅で亡くなったことが4日、分かった。77歳だった。同日、所属の東映京都俳優部が発表した。葬儀は故人の遺志により家族葬で執り行ったという。

福本さんは1943年(昭18)2月3日に兵庫県城崎郡香住町(現美方郡香美町)に生まれ、58年に15歳で東映京都撮影所に専属演技者として入所。以来、50年以上にわたって映画や、TBS系「水戸黄門」、テレビ朝日系「暴れん坊将軍」などテレビの時代劇を中心に、主人公に切られる、斬られ役俳優として活動を続けて来た。

殺陣技術集団「東映剣会」に所属し、トム・クルーズ主演の03年の米映画「ラストサムライ」に出演。14年には初主演映画「太秦ライムライト」(落合賢監督)が公開され、同年のファンタジア国際映画祭(カナダ)で、シュバル・ノワール賞(最優秀作品賞)と、日本人初となる最優秀主演男優賞を受賞。同年の日刊スポーツ映画大賞では石原裕次郎特別功労賞を受賞するなど、国内外で高く評価された。